約 3,813,923 件
https://w.atwiki.jp/tf_animated/pages/38.html
第16話「エリートガード」 (2010.7.17放送) オリジナル #17「The Elite Guard」 カットシーン 冒頭での、オートボットによる街の復興シーン。及びデトロイト市民に対して、恐怖を与えてしまっている事が解るシーン。 サムダック博士がいなくなり、サリが社長代行をやっているシーン。 エリートガード宇宙船出現時の、ファンゾーン警部絡みのシチュエーション全て。 バンブルビーとアイアンハイドが、センチネルに対して「俺たちの事、覚えてないのかな」と言うシーン。 セリフに関する問題点 警察ロボットは、原語では無言で襲ってくる。つまりトランスフォーマーでは無い、あくまでも「機械」が襲ってきているのであり、それ故オートボット達は警察ロボを躊躇せず破壊している。 設定に関する問題点 サムダックが行方不明になったため、冒頭でサリがサムダック社の社長代行を務めているシーンがある。今回の事件はそれを受けてサリが「社長としての責任」を果たすべく駆けつける、というシークエンスになっている。しかし冒頭のシーンがカットされたため、その辺りが説明不足になっている。 センチネルが「プライム」では無い。本来プライムとはオートボットの役職名であり、オプティマスもセンチネルも、役職・地位としては同じ「プライム」である、というのが本作のポイントでもある。ラスト間際でオプティマスがセンチネルに反抗するシーンは、本来ならば「(地位の高さは)同じプライムなのだから、命令は聞かない」というニュアンスがこめられている。 バンブルビーとアイアンハイド(バルクヘッド)に名前をつけたのはセンチネルである事が「ダブルエージェント(Autoboot Camp)」で語られるが、それに対する伏線がカット。 ディセプティコンが隠れ家としている鉱山は、その周辺にディセプティコン反応を妨害する物質が存在している。それ故に隠れ家として成立しているのだが、その辺りの説明が成されていない。 センチネルがオプティマスに対し「エリートガードの落ちこぼれ」と言うが、オプティマスがエリートガードを目指していたとされる描写は、日本語版ではことごとくカットもしくは改変されている。 リベンジの「オプティマスは最後のプライム」って部分に合わせたんだろうな。名前の部分はバルクヘッドがアイアンハイドに、アイアンハイドがアーマーハイドになった時点で変更しないとならなかったかと。警備ロボがしゃべるのはたぶん日米でのロボット感が原因。 -- 名無しさん (2010-07-17 13 27 42) 岩浪って無駄にドローンを喋らすよな。緊張感無くなるからやめてほしい -- 名無しさん (2010-07-17 13 31 30) 日本じゃ無言の戦闘シーンってのは受けないから(子供が見てて飽きる)それが原因だろうね。それこそ1作目でも戦闘中に「そりゃ」とか「トァー」とかセリフ追加してたし(原語版ではほぼ無言で効果音がカンコンなってるだけ) -- 名無しさん (2010-07-17 17 32 20) それとロボットを人間に近くなったら恐怖の対象であると考える欧米と人間の友達(おもにアトムの影響)と考える日本人との感覚の違いも -- 名無しさん (2010-07-17 17 45 53) 続き すくなからず影響してると思うね -- 名無しさん (2010-07-17 17 46 19) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/themorningstar/pages/50.html
ディボーション(ディボーション) 分類:スキル PTメンバーに使用すると一部のスキル(「プレッシャー」や「コーマ」、「ローグのクローンGXの反動」など)を除きダメージを肩代わりすることができる。 献身対象者の条件 パーティメンバー限定(同一ギルド・同盟ギルド不可) 対象者と術者のLv差が±10以内である クルセイダー・パラディンに対しては使用できない。 献身詠唱について かける時は魔法と同様に間に障害物等が挟まると発動しない。 また、レベルごとの献身範囲より遠い位置に対象がいるとかからない。 詠唱は対象者から来るダメージでも妨害される。 掛け直しをすることで続時間のリセットが可能。 定員いっぱいのときは詠唱自体が不可能。対象者一人の効果時間が切れるまで掛け直しが出来ない。 献身効果範囲について 献身中は範囲内にさえ相手がいれば間に障害物や壁があってもしっかり発動する。 献身をかけてから献身範囲内から離れても献身対象者が一度もダメを食らわずにまた範囲内に戻った場合、 献身効果時間が残っていれば献身効果は持続する。 リログ・WP移動の瞬間にも効果は消滅する。 術者について 対象者から来るダメージにもヒットストップを起こす。 献身中に「インデュア」をすると、献身対象者も「インデュア」状態になる。 ただし対象者から来るダメージには自身にインデュア効果はない。 またインデュア状態での被弾可能回数については術者、対象者が合計される。 自身が状態異常による行動不能状態(スタン・凍結・石化・睡眠)にあっても献身効果持続。 献身対象者について 献身予定対象者がダメージを受けても詠唱は妨害されないが、対人戦において「プロボック」「スペルブレイカー」で妨害される。 献身対象者が喰らった状態異常はそのまま献身対象者にかかってしまう。 献身対象者が行動不能状態(凍結・石化・睡眠)になった場合、献身対象者がダメージを受けても行動不能状態は解けない。 同様に献身対象者がダメージを受けたことにはならないため、被弾共闘は入らない。 代わりに術者側に被弾共闘がつく。 術者が即死してしまった場合にも、対象者はノーダメージ。 セージの「ディスペル」で献身を解除するには献身対象者を狙う必要がある。 献身対象者が被弾時に座っていた場合、その場にいた人からは立って戦闘姿勢になっているように見えるが、 サーバ側では座っている状態となっているため移動やスキル等の行動が不能になる。この状態は献身対象者が座り直しをすれば解消される。 献身対象者から来るダメージ・効果について 対象者のDEF・カード効果・アスム・EC等が適用される。 被ダメの赤数字は自分と対象者の両方に出る。 「オートガード」により対象者からのダメージを無効化可能。(オートガードのエフェクトがでる) ただしこの時、対象者がクリック押しっぱなし(又はCtrl)の通常攻撃をしていると、ターゲットが解除されてしまう。 状態異常cは献身対象者が装備しているものだけが適用される。術者の状態異常cは効果なし。
https://w.atwiki.jp/tokimekicn/pages/766.html
Devote For Love 为爱献身【再伟大的牺牲也不过是零和游戏中的一员】 『2』中阳之下光战斗时使用的奥义。 简介 敌人发动奥义时此奥义才会发动,光大叫「危险!」,挡在主人公面前, 代替主人公吃下敌人的奥义,之后光会丧失意识,愤怒的主人公攻击力会随之上升。 看起来是挺好用的奥义,不过考虑到主人公这边的可用战斗力锐减一半,就算攻撃力再怎么提升,基本也没什么优势。 我们承认光的牺牲精神非常伟大,虽然对不起晕倒的光,但此奥义的确没什么用。 何况主人公可是强大到可以单挑总番长的男人,真的没有必要拼命。 相关页面 社团•爱好•战斗 阳之下光
https://w.atwiki.jp/disel0042/pages/8.html
クルセ心得 クルセ心得 まず最低限の働きをするためには献身を覚えよう ベースLVを90まで上げよう クルセに求められるもの スキルディボーション リフレクトシールド シールドブーメラン オートガード ライディング グランドクロス ステータスとタイプVIT STR DEX盾献身 INT VITGX献身 まず最低限の働きをするためには 献身を覚えよう RSの性能が微妙になった今、献身なしでは所詮劣化騎士に過ぎない。献身を必ず習得、また持続時間の関係上LV5を取ろう。 ベースLVを90まで上げよう 優先して守るべき高LVのキャラに献身するためにはこちらも高LVが要求される。ベースLV90が最低ラインと思ったほうがいい。 クルセに求められるもの Gvにおけるクルセの主な役割は、突入戦での敵陣破壊の先鋒、及び持久戦での味方陣地の維持役だが、クルセ自身は耐久性に恵まれているものの火力はやや心もとない。 よって、必ず高火力職の味方を伴って行動したほうがよい。 また同時に、そうした「火力が高いが打たれ弱い味方」を守ることが、クルセの仕事でもある。 (クルセスレテンプレより抜粋) つまり、「敵を倒す」よりも「味方を守る」ことに主眼を置いて行動するのがよい。騎士とは役割が全く違うことに注意。 スキル ディボーション クルセのメインスキル。定点防御だけでなく、乱戦での味方保護などにも威力を発揮。攻めの際でも、Wiz陣が突入を始めたらかければ制圧が容易になる。またWizやロキ雷鳥にかけるばかりでなく、サンクプリや阿修羅モンクにかけるなど工夫次第でいくらでも応用が利く。 また、ローグスキルのインティミを献身対象が受けた場合、献身をかけている者が飛ぶ事になるのでその点は注意。 リフレクトシールド 主に対阿修羅モンク用だが、反射ダメージにシーズ補正がかかるので使いにくい。阿修羅は耐えられないと割り切るなら、ホルン盾を持つのがけっこう有効。 シールドブーメラン 武器のカード効果や固有効果が乗るので、特にソードブレイカー等と組み合わせるのがよい。 オートガード 定点防衛(特に献身時)のときは必ずかけよう。被ダメが目に見えて減る。ただし発動後に硬直があるので移動時などは使うべきではない。切り替えをおこたらないこと。 ライディング 回復剤の搭載量を稼ぎたいクルセには必須といってもいいスキル。また判定が大きくなるので敵のタゲを引き受けやすくなるなどの利点もある。 グランドクロス GX献身型(後述)なら選択肢に入る。ちらつかせることによって㌦鎧を封じることが出来るのも利点。連打するとGXのスタックが連続して乗り、回復できずに死ぬ可能性があるので出ないと思っても連打せずに間に回復剤を叩いておくこと。 ステータスとタイプ VIT STR DEX盾献身 正統派の献身ステ。育成は若干つらいがソロも決して不可能じゃないし、PTでも普通に壁役として戦えるので、ベースLVに妥協しないこと。ベース90完成・転生なしならこちらの型が理想。 INT VITGX献身 育成のためにINTに大きく振り、GXを10まで取得した型。プリさえいれば育成は楽。タンクとしての性能は当然劣るが、高MDEF・高威力GXなどの副産物もある。
https://w.atwiki.jp/authors/pages/72.html
単行本 容疑者Xの献身 文庫本 容疑者Xの献身 (文春文庫) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kuroeu/pages/2322.html
フォートガード神聖宮 解説 アンナローツェ王国の首都。 元々はセーナルを祀る宮殿だったが、大陸公路から遠く難のあった旧王都トトサーヌから遷都した事で発展した。 雑感・考察 名称や説明的には都市というよりはそこに存在する王宮な気がしないでもない。 名前
https://w.atwiki.jp/aimi-mcc/pages/294.html
献身タイプのガールズトーク会話内容です。 【 】の中には名前が入ります。 フレアイの会話内容はコチラ 【回数オーバー】時の台詞は全タイプ共通です。 トークする ええ、ゆっくりしましょう。 (微) お元気そうで何よりございます。 (微) ※脱字 お互いに主を持つ者・・・・・・共に頑張って行きましょうね! (微) 献身と奉仕を一番としております。 (閉) 最近どうでしょうか? (微) 自己犠牲・・・・・・素晴らしい響き。 (閉) 常に用心しましょう。 (微) どういう事なのでしょう? (閉) どんな事になっても気持ちは変わりません。 (閉) 何かあったら《わたくし》を頼ってください。 (閉) メイド服が一番着て、しっくり来るのはいけない事なのでしょうか・・・・・・ (閉) 面妖な・・・・・・いえ、何でもありません。 (閉) 《わたくし》は十分幸せです。 (微) 何か良い事はございましたか? (閉) 会話というものは本当に至高の瞬間だと感じます (微) 常に自分を律して、己の主に忠誠を尽くしたいものですね。 (閉) トークする※フレアイと同じ 話が弾んだ なんだか、落ち着きます。 (微) おねだり 《貴方様》が【商品名】みたいなものを身につけるなんて・・・・・・10年早いですね! (哀) ※誤植? この【商品名】。とても丁寧に作り込まれていますね (微) 質問なのですが・・・・・・《貴方様》はこの【商品名】が好みだったりするのでしょうか? (照) 【商品名】のようなものを身につけるなんて、とても贅沢ですよね (閉) 【商品名】を買っていただけるのですか? (困) たまにはこのような店もいいですね。【商品名】のような素敵な商品がたくさん・・・・・・ (閉) たまには【商品名】みたいなオシャレなものを身につけてみたいとは思いますね (閉) 何でもないです。 【商品名】が欲しい何て事はございません。 (閉) 買ってあげる ・・・・・・ありがとうございます。ご迷惑をおかけします・・・・・・ (微) 《貴方様》、わがままを聞いてくださって、ありがとうございます (微) ありがとうございます・・・・・・まさか、買っていただけるなんて・・・・・・ (微) わがままを聞いてくださいまして、ありがとうございます。 (微) あきらめてもらう 《貴方様》は、いけずです・・・・・・ (哀) そう、ですか・・・・・・ (哀) そうですね、・・・・・・《わたくし》に貴重な資金を使うなんて、勿体ないです。 (哀) はい、お気を悪くなさいましたか・・・・・・?申し訳ありませんでした。 (哀) はい、わかりました・・・・・・申し訳ありません・・・・・・ (哀) わがままを言ってしまい申し訳ございませんでした (哀) 申し訳ありません、出過ぎた真似をしてしまいました・・・・・・ (哀) わかりました。・・・・・・お気を使わせてしまい、申し訳ございません。 (哀) 《わたくし》のわがままで困らせてしまい、申し訳ございませんでした。 (哀) 終了 ありがとうございました。 (閉) え、えっと"がぁるずとぉく"をまたしたいものですね。 (照) また何処かで逢いましょう・・・・・・またその時に続きをお話したいものです。 () またこのような時を共に過ごしましょう。 (微) 回数オーバー 今忙しいの (無) トークされる いつも気は抜いてますよ? (閉) 怒らずに、話しあいましょう。 (閉) 怒れ・・・・・・と言われましても・・・・・・ (哀) おすすめは構いませんが、着こなせるか自信がありません。 (閉) 今日の料理もお任せ下さい。 (微) これからも一緒に頑張りましょう。 (閉) 食の道というものは、とても深く長い道のりなのです・・・・・・ (閉) そういう事でしたら、何とかしましょう。 (閉) 仲良くしていただけると嬉しいです。 (微) 何か? (微) 何をすればよろしいでしょうか。 (閉) はっ!?法螺貝の音色が!!戦場の!?・・・・・・いえ、なんでもありません。 (怒) 無礼者っ!・・・・・・ごめんなさい、何でもないです。 (微) トークされる※フレアイと同じ 話が弾んだ 是非、お続けください。 (閉) "まいろいど"とは実に不思議な存在ですよね。 (微) おねだり 《貴方様》には【商品名】がとてもお似合いだと思われますね。 (照) 勝手な意見を申し上げますと【商品名】は買って損はない商品だと感じます。 (閉) これは貴重ですね・・・・・・【商品名】が入手できそうな値段でございます。 (閉) 【商品名】ですか、コスト等を考慮して、《貴方様》がご決断を・・・・・・ (閉) 【商品名】ですか・・・・・・これは非常に良い商品だと思われますが・・・・・・ (困) なんでしょう【商品名】がオススメ商品なのでしょうか? (微) 誠に恐縮ですが、【商品名】を買って頂けませんでしょうか? (困) やはりマイロイドというものは【商品名】のような物を欲しくなってしまうものでございますね・・・・・・ (哀) 買ってあげる いえ、当然でございますので…… (微) 一般的におねだりという行為なのでしょうね。ですがたまには悪くないものと考えさせられました。 (閉) このような結果が導き出されるのですね、なかなかの面白いものでございました。 (微) 素敵な表情でいらっしゃいますね。やはり笑顔というものは素晴らしいものでございます。 (微) できればでよろしいのですが《わたくし》にもなにかアイテムのようなものを・・・・・・申し訳ございません!! (哀) あきらめてもらう ・・・・・・わかりました (哀) いえ、この判断は間違っておりません。 (閉) 一緒にお出かけできるだけで、幸せです。 (微) 残念です、お気になさらずに。 (哀) 出過ぎた事を言ってしまいました、申し訳ございません。 (哀) 終了 こうやって仲良くなっていくのでございますね♪ (閉) それにしても時間というものは早いですね・・・・・・ (哀) またこのような機会があれば、その時はよろしくお願いします。 (照) 本日はありがとうございます。 (閉) 回数オーバー 今忙しいの (無) ▲ページTOPへ コメント一覧 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/nenohitohatiue/pages/1566.html
◇===================================== カード名 . ..: 傀儡達の献身 恐怖 [ツクモ]≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ レアリティ...: C≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ カードスキル : 山札から[人形送り]を1枚手札に加え、Will+1/既に[人形送り]が手札にあれば代わりに公開、CF終了まで自魂魄に[障壁(3)]付与、公開札忘却≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ ステータス. . : 対価 3 SP:1 ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ フレーバー .: 彼らは送られ眠りゆく、或いは望んでその身を投げ出すだろう=====================================◇傀儡達の献身/恐怖/R/Cost 3/SP 1/山札から[人形送り]を1枚手札に加え、Will+1/既に[人形送り]が手札にあれば代わりに公開、CF終了まで自魂魄に[障壁(3)]付与、公開札忘却/[ツクモ]/[][]C 《関連札》 人形送り
https://w.atwiki.jp/karanemi/pages/1720.html
スパンダルマド 作品名:黒白のアヴェスター 使用者:アルマ 神座万象シリーズに登場する能力。 戒律の一つ。 生涯通して不義者の男にしか抱かれないという誓約に対して不義者に偽装できることと自分を抱いた不義者を必殺できる能力。 能力についての詳細誓約 不義者への切り換え 絶対殺害権 宇宙法則への抵抗力 欠点 元ネタ 関連項目 関連タグ リンク 能力についての詳細 誓約 真我に逆らって不義者に抱かれる強姦されるのではなく同意して行為をする必要がある。義者の女としても愛を捨てているゆえに強力な能力を獲た。 アルマの戒律は単純明快。『生涯通して不義者の男にしか抱かれない』こと。 すなわち義者の女として愛も幸せも捨て去る代わりに、類稀なる力を得た。 不義者への切り換え 義者・不義者の属性を切り換えられるただし義者に戻れるのは聖王領内にいるときのみ。 「いいや、オンオフは可能だよ。ただしいつでも自由にというわけじゃない。相応の縛り がある」 絶対殺害権 自分を抱いた男に対する絶対殺害権を獲得する快楽と法悦を得ることでより確実に上位の魔将であろうと殺せるようになる。 その苦行が完璧であればあるほど、アルマは相手の男に対する絶対的殺害権を獲得する。 理想的な“過程”を経れば、どんな強者であろうと関係なかった。殺したいとき、殺し たい方法で、たとえ数万光年の彼方に離れていようと獲物の急所を刺し貫ける。 宇宙法則への抵抗力 世界の法則に対してある種の抵抗を持つ二元の枠組みを魅了という形で超越する特性から得た抵抗力。 アルマとロクサーヌは白と黒を行き来できる性質から、既存の法に対してある種の抵抗 力を持っている。加えて厄介なのは、新たな王に期待する心も偽りがないという点だった。 欠点 自己嫌悪や狂気に苛まされる真我の異なる相手と行為を臨んだことに死にも等しい精神的苦痛が沸き上がる。 一殺ごとに狂気の淵を彷徨うし憤死しかねない怒りと絶望、自己嫌悪に囚われる。 事が終わったあと、自身を顧みて魂が砕け散りそうな痛みと後悔に苛まれるのだ。 元ネタ スプンタ・アールマティ(アヴェスター語:Spənta Ārmaiti)、 スパンダルマド(パフラヴィ―語:Spandarmad) ゾロアスター教神話に登場する神性。善神アムシャ・スプンタの一柱。 名前は「神聖なる」を意味するスプンタ+「敬虔・献身」を意味するアールマティ。 対立する悪神はタローマティ(背反)。 『アヴェスタ』では大地の守護神、あるいは大地そのものとされていた。スプンタ・アールマティは土地を耕して穀物を豊かにすることを喜び、逆に土葬はアールマティに対する大罪とされていた。 また霊界物語『アルダー・ウィーラーフの書』では裸足で大地を歩き回るのもアールマティに対する罪でありとして、罪人が地獄で苦しむ様を描いている。 後に地母神の役割をアナーヒターに奪われる形で失い、女性の徳目を管轄する存在となった。 神話においてガヨーマルトの精液を受け、人類の祖であるマシュヤグとマシュヤーナグを生んだ。 関連項目 戒律 神聖なる献身の能力分類。 関連タグ 代償 対個人 異生物化 神座万象シリーズ 能力 黒白のアヴェスター リンク Wikipedia スプンタ・アールマティ
https://w.atwiki.jp/sentairowa/pages/161.html
献身 ピ~ン♪ポ~ン♪パ~ン♪ポ~ン♪ この戦いが始まって、12時間が過ぎた。二回目の定時放送を告げる鐘の音が鳴り響く。 鏡の扉から現れるのは青いけばけばしい服を着た女。 女は甘えるようなぶりっ子ポーズをとると、6時から12時の間に死んだ参加者の名前を紡いだ。 「ああっ、もうムカつくわ!何よ~この女!」 放送が終わると、途端に憎まれ口を叩いたのは小沢澄子。 その性根は容姿に表れ、意志の強い瞳と情の深そうな厚い唇を持った女性だ。 今はそのウェーブの掛かった茶髪を、動きやすいように後ろにまとめており、活発な印象が更に大きくなっている。 当初、来ていた警視庁の制服は、既に上着を脱ぎ捨て、ノースリーブのシャツというカジュアルな格好をしていた。 「小沢さん、静かにしてください。矢車さんが起きてしまいます!」 注意しておきながら、小沢以上の声量で声を上げた男の名は南光太郎。低く、それでいてよく通る声の持ち主だ。 ほとんどの若者が染髪をしている昨今、真っ黒な髪と太くしっかりとした眉毛。 かといって男臭いだけかと問われれば、さわやかさも備え、精悍な顔つきは紛れもなく二枚目の部類に入る。 彼は白いジャンバーとスラックスといった白一色の格好をしている。 「大丈夫。もう起きてる」 そう言って、ベッドから上半身を起こしたのは矢車想。”元”仮面ライダーザビー。 変身を封じられ、傷だらけになった男の身体には包帯が巻かれており、その傷の深さが見て取れる。 顔も憔悴しきっており、完全回復とは言い難いが、その眼だけは光を取り戻していた。 「それにしても、たった6時間で今度は10人も。小沢さん、南くん、誰か知り合いの人は呼ばれましたか?」 「1人いたわ。ヨロイ元帥。ここへ来て初めて会った男よ。胡散臭くて、ダサくて、最低の奴だったわ」 「俺はいませんでした。だけど、10人も犠牲になるなんて、おのれクライシスめ!」 二人の言葉を聞きながら、矢車は1人の男に思いを馳せる。 加賀美新。矢車と同じZECTの隊員だった男。 (彼なら役に立ってくれるかもと思っていたが) 三者三様の思いがよぎる。だが、ゆっくりとはしていられない。放送は死亡者だけでなく、休息の終了も告げていたのだ。 今、小沢、南、矢車の3人はG5エリアにある民家にいた。傷ついた矢車の体調回復のためだ。 しかし、このG5エリアは13時に禁止エリアになることが放送で告げられた。のんびりとしていれば、爆死することになってしまう。 「今はのんびりと考え事をしてる場合じゃないわ」 言うが早いや小沢は出発の準備を始める。 その言葉に2人とも異論はなく、続いて、身支度を始めた。 「矢車さんは休んでいて下さい。準備は俺が」 「いや、全快とはいかないが、大分休ませてもらった。これぐらい平気だよ。それにしてもここを禁止エリアにしたのは何か意図を感じる」 偶然と言ってしまえば、それまでだが、神崎は動かず、休み続ける自分たちが邪魔だったのではないか? もしそれぞれの禁止エリアがランダムに決められているものでないとすれば、そこを禁止エリアにしなければならない理由があるのかも知れない。 「そうね。後でそれはじっくり考えましょう。とりあえず、今はどこに移動するかが先決ね。私は城戸くんや乾くんを追って、F7エリアに向かうべきだと思うわ」 力強く提案する小沢の言葉に、矢車は肯いた。 一方、その頃、また別の場所で定時放送を耳にした男がいた。 その男は、戦いの場というのに、白い燕尾服と気品を纏っていた。 ワームでありながら、ワームを嫌悪し、ワームの存在をなかったことにするために、神に代わって剣を振るう男、神代剣である。 「カ・ガーミン……」 自分で殺したとはいえ、友が死んだと聞かされるのは改めて心が痛む。 しかし、その痛みは自分への罰。あえて受け止め、次の戦いに進まなければならない。 剣は地図を広げる。今、自分が優先すべきは相川始を止めることだ。 彼と剣崎が行ったノブリス・オブルージュは決して汚してはならないものだ。 彼が間違いを犯す前になんとしても止めなければならない。それは自分が擬態している剣崎の願いでもある。 「よし、ここに行ってみることにするか」 数あるエリアの中から剣はひとつを決める。それは数十分後、激闘が行われることになる場所であった。 そして、時は流れる。 BATTLE1-1:市街地F6エリア 市街地の一角。 綺麗に舗装された広い道路に、垂直にそびえ立つ電柱。 カラフルな店構えの様々な商店が立ち並び、自己主張をしているその区画は、休日ともなれば、多くの人が訪れ、活気あふれる地域になることが予想された。 つい数分前までは。 「アバラーーー!」 奇声を上げるのはカニレーザーへの変身を遂げたドクトルG。 それに対峙するのはカテゴリーAであるマンティスアンデッド――カリスの姿を模したジョーカー。 ふたりの戦いは熾烈を極めていた。 カニレーザーが斧を振るえば、カリスは素早い動きでかわし、カリスがカリスアローを撃てば、カニレーザーは盾で防御した。 その余波は周りの建物を次々と破壊していき、瓦礫の山へと変貌させていく。 ふたりとも狙うのはこの膠着状態を打ち砕く決定打。そして、それを可能にするのはお互いの必殺技をおいて他にはない。 ふたりは互いに相手の隙を窺っていた。 「ハァハァ」 しかし、この戦い、互角ではなかった。 (このままではまずいな) 体力をより消耗しているのはカリスの方。 力はカニレーザーの方が上。そのため、カリスはスピードで撹乱する戦法をとったが、間合いを広げすぎるとレーザーで狙い撃ちにされる。 カリスは近くも遠くもない微妙な間合いを計らねばならず、隙を見て攻撃しても鉄壁の盾で全ての攻撃が防がれていた。 結果、運動量のより多い、カリスの体力は徐々に削られていた。体力が減ってくると、ジェネラルシャドウ、ブレイドとの戦いの傷も疼いてくる。 (長期戦は不利。一気に決着を着けるしかないか) 短期決戦を決意したカリスは右腰につけたカードフォルダーから1枚のカードを取り出す。 カリスの手元にあるカードはハートの5、キック力を強化するDRILLのカード。 (このカードに賭けるしかあるまい) カリスアローにセットされたラウザーにカードを通す。 ―DRILL― 光となったカードはカリスの身体に吸い込まれ、その力をカリスの足へと宿した。 (狙うは……あそこだ!) カリスの複眼が狙うべき箇所を特定する。特定した箇所は頭上にあるレーザーの発射部。 カリスは飛び、前方宙返りを行うと足先をカニレーザーへと向けた。 そして、キック力を上げるため、足を支点として、ドリルのようにグルグルと回転を始める。 カニレーザーはその姿に宿敵の姿を重ねた。 V3が以前、自分に止めとして放った技、V3きりもみ反転キックにとてもよく似ている。 V3とカリスに接点があるわけないと、カニレーザーは理解しながらも、その闘志は否が応でも燃え上がる。 「同じ手はくわぬわ」 カニレーザーに向けて、一直線に放たれる蹴り。 カニレーザーは盾に身を隠すと、それを真正面から受け止めた。 受け止めてもキックの勢いは止まらず、キュルキュルと盾を貫かんとする音が鳴る。 だが、カニレーザーは盾を貫かれることはないと判断していた。 (軽い。V3のキックに似てはいるが、キック力は似ても似つかん) 落胆するカニレーザー。 (所詮は仮面ラーイダに及ぶことはない流浪の戦士か。止めをさしてやる) 『零距離』 この位置からのレーザーを浴びれば、カリスとて、ひとたまりもない。 カニレーザーはカリスを狙い撃ちにするために、盾から顔を出した。 「なに!」 しかし、それがカリスの狙いだった。 顔を出したカニレーザーの視線の先にはカリスアローを構え、こちらを狙うカリスの姿があった。 カニレーザーは油断していた。 『零距離』 その条件は相手も一緒だということを。 「くらえ」 「小癪な!」 同時に放たれる矢とレーザー。 眩き閃光が、ふたりを包み込んだ。 BATTLE2-1:市街地F5エリア エメラルド色の複眼を持った銀色の戦士、シャドームーンは、特徴がまったく異なる二人の戦士と対峙していた。 ひとりは青い色の複眼を持ち、銀色の装甲を脱ぎ捨てた、赤の戦士。 接近戦、遠距離戦療法に対応可能な武器を使いこなし、今も絶妙な間合いで敵の出方を窺う。 自らを太陽の化身と名乗る天のライダー、仮面ライダーカブト。 もうひとりは黄金のラインをさながら全身に血を運ぶ血脈のように張り巡らせた、漆黒の戦士。 エネルギーをチャージすることにより生成された両刃剣を構え、隙なくこちらを見つめる。 終焉を意味する文字『Ω』を模した地のライダー、仮面ライダーオーガ。 シャドームーンは己の瞳に携えた機能、マイティアイでふたりを分析する。 ライダーマンとの戦いは気が急いてしまい、余裕が油断へとつながった。 二度とあのような失態を繰り返すつもりはない。 ライダーマンへの報復もRXの捜索も今は後回しだ。この10分、この二人の打倒のためだけに使う。 「こい」 シャドームーンのその声を合図に、カブトとオーガの二人は動いた。 カブトはカブトクナイガンを手に右から、オーガはオーガストランザーを手に左から仕掛ける。 左右から迫る剣をシャドームーンは両手に携えたシャドーセイバーで防御した。 カブトクナイガンは左手で、オーガストランザーは右手で。 しかし、戦闘のプロたる二人の戦士は防御された場合の行動など、想定済みだ。 カブトは蹴りを、オーガは正拳突きを、ガラ空きとなった体に放つ。 「ふっ」 シャドームーンは左手のシャドーセイバーを捨てる。 力の矛先を失ったカブトは僅かによろめく。その隙をシャドームーンは見逃さない。 素早くカブトの右腕を掴むと、自分の懐へと引き寄せる。 「しまった!」 バランスを完璧に崩されたカブトは、為すがままにシャドームーンの正面へと出た。 背中に走る衝撃。オーガの正拳突きはカブトへと命中する。 今度はオーガの番。右手のシャドーセイバーも捨て、動揺するオーガの右腕を掴むと、そのまま捻り上げた。 「うぉぉっ!」 オーガの右腕が捻じ切れそうなほど、軋む。 「このまま捻じ切ってやる」 「させん」 カブトは空いている左拳に渾身の力を込めて、シャドームーンの腹へと打ち込んだ。 「ぬっ」 回復しかけているとはいえ、ライダーマンに空けられたドリルの傷は完璧には癒えていない。 負傷した左腕でのパンチとはいえ、シャドームーンにダメージを与えるのには充分だった。 激痛にシャドームーンの拘束の手が緩む。 「今だ」 カブトは拘束の手を振り払い、バックジャンプで、シャドームーンとの間合いを取る。 それを確認したオーガは改めて、シャドームーンに左拳を打ち込む。 オーガからもシャドームーンの手が離れた。 「くらえ!」 オーガストランザーを両手にしっかりと握り、逆袈裟に切り上げる。銀色の装甲は切り裂かれ、火花が飛び散る。 「おばあちゃんは言っていた。料理はスピード。下ごしらえが済んだら一気に進め……クロックアップ」 ―CLOCK UP― ベルトのスイッチをスライドさせることで、静止する世界。 前方ではオーガとシャドームーンが切り結んでいる。 カブトはシャドームーンへと駆けていき、後ろへと回り込む。 ―ONE― ―TWO― ―THREE― 押されるカブトゼクターのボタン。カブトゼクターの角を戻すことで、脚に破壊エネルギーが蓄積される。 「ライダーキック」 ―RIDER KICK― シャドームーンを狙っての必殺の回し蹴り。 これが決まれば、いかにシャドームーンといえども、敗北は免れない。 ―CLOCK OVER― 静止する時は終わり、それと同時にライダーキックは炸裂する。 ただし、炸裂したのは、 「「何!?」」 カブトとオーガの声がハミングする。 カブトは自分の攻撃した対象が、シャドームーンでなかったため。オーガはカブトの攻撃した対象が自分だったため。 「予想通りだな」 シャドームーンは呆けるカブトに手を向けると、シャドービームを発射した。 一直線に走った閃光は、カブトの左腕に炸裂する。 「ぐっ」 傷を抉られる痛みに、流石のカブトも苦悶の声を上げた。 「お返しだ。傷を狙われるのは痛かろう?」 (こいつ、強い。しかも、強いだけでなく、分析力にも優れている。だが、どうやって俺の位置がわかった?) カブトが指摘した通り、それはシャドームーンの優れた分析力の賜物だった。 カブトがクロックアップを行ったとき、シャドームーンが注目したのは、地面の塵だ。 クロックアップといえども物理法則の全てを無視するわけではない。人が歩けば、必ず塵は舞い上がる。 最初の塵が舞い上がった場所と、次に塵が舞い上がる場所の距離と時間さえ解れば、速度を割り出すことは可能だ。 そして、オーガと切り結んでいる状態であれば、相手の狙いは背部に限られる。 後は攻撃してくるであろうタイミングを見計らい、オーガを盾とすればいい。 制限がなかったら、オーガと切り結んでいなかったら、接近戦を仕掛けてなかったら、様々な要因が重なったからこそ成功した攻略法であったが、逆にそれがカブトを混乱させる。 カブトには攻略されたという事実のみが圧し掛かっていた。 「ここまでだ」 シャドームーンが手を向ける。今度の狙いは心臓だ。 発射されるビーム、カブトはカブトゼクターに手をかけると、角を元の状態に戻した。 ―PUT ON― 一瞬で生成されるマスクドフォームの装甲。 ビームが届くよりも先に生成された装甲は、砕かれながらも心臓に向かう衝撃を防ぎきる。 「ふっ、時間稼ぎか」 「そう、単なる時間稼ぎだ」 シャドービームはマスクドフォームの装甲を貫くことはできなかったが、破壊するにはいたった。 もう一度、受ければ、今度こそ命はない。 「だが、意味のある時間稼ぎだ」 「うぉぉぉぉっ!」 迫ってくる雄叫びに、シャドームーンは振り返る。 それはオーガだ。オーガストランザーを振り上げ、シャドームーンに襲い掛かった。 シャドームーンは素早く拾い上げたシャドーセイバーで防御する。 「避けろ」 カブトは再びカブトゼクターの角を上げた。機械音と共に開いていくマスクドフォームの装甲。 「キャストオフ」 ―CAST OFF― 吹き飛ばされた装甲が、シャドームーンとオーガを襲う。 だが、警告を受けていた二人はそれを軽々と避け、オーガはカブトの元へ、シャドームーンはカブトとは逆の方向へと移動した。 ―CHANGE BEETLE― 上がるカブトの角。カブトは再びライダーフォームへと変化を遂げた。 三人の体勢は、カブトが一度目のキャストオフを行ったときに戻っていた。 銀色の戦士に対峙する二人の戦士。だが、先程とは状況が異なっている。 銀色の戦士は少々のダメージこそ受けたものの、隙なく二人を見つめている。 一方、二人の戦士は満身創痍。息も荒く、今までの蓄積した疲労が表に出始めている。 このままでは敗北は必至といえよう。 「タフな奴だ。俺のキックを受けても立ち上がってこれるとはな」 「ふっ、あのキックはお前の必殺技か?だとすると拍子抜けだ。割には合わんだろうが、あの時の拳で帳消しにしておいてやる」 オーガが言っているのは、シャドームーンに捕まり、カブトが受けることになった正拳突きのことだろう。 互いに誤爆し合ったということで、水に流そうということだろう。 (意外に几帳面な奴だ) 「バラバラに戦っていては埒が明かん。同時にいくぞ」 改めて共闘を宣言し、シャドームーンに立ち向かおうとするオーガ。だが、カブトは手を上げ、オーガを制した。 「いや、やめておいた方がいい。今の俺とお前は、梅干と鰻だ」 「?、(´・ω・`)なんだそれは」 オーガがきょとんとした顔で聞き返す。 「食い合わせだ。料理の世界では合わせてはいけない食材が存在する。 ひとつひとつは美味くとも、その二つを合わせようとすれば、身体には毒になる。 今の俺たちはまさにそれだ。無理に合わせても奴には勝てない」 「なら、どうするつもりだ?」 「ひとりで戦えばいい。無理に二人で戦う必要はない」 天道は右手を天に掲げると、自信満々にそう答えた。 BATTLE3-1:市街地F4エリア ライダーマンとカイザの二人はそこに現れた青き鬼神の姿を見つめていた。 「氷川くん」 「こいつは」 カイザにとって、それは見覚えのある姿。ナイトと一緒に襲撃し、結果的には返り討ちにあったライダーだ。 そして、カイザは同時に眼の前のライダーが、以前のそれと異なることを見抜く。 この青きライダーは少年と一緒に行動していたはずだ。それにあの時は確か『加賀美さん』と呼ばれていた。 (……なるほど。カイザのベルトと同じで、ある程度汎用性のあるベルトってところかな。なら、奪えば俺の力にもなってくれるってことだ) カイザは逃げることより、戦うことを選択する。 ライダーマンと比べて、自分の戦力は圧倒的に上。もうひとりの相手も変身したとはいえ、かなりの重症を負っていた。 勝てない相手ではない。 (真理、すぐに生き返らせてやるからな。全ての罪人の首を切り落として) カイザはカイザブレイガンを構えると、ガタックに向かっていった。 ガタックは向けられた刃を防御しようとするが、動きが鈍い。カイザブレイガンの斬撃を正面から受ける。 「氷川くん!」 「君は怪物のおもりでもしておけ!」 左手でカイザフォンを取り、瞬時にフォンブラスターへと変形させる。 それを使い、カイザはひよりを狙い、撃つ。 ひよりに向けられた突然の銃撃。ライダーマンはひよりを庇い、身体を盾にして、光弾を受ける。 「ぐはっ」 「女を狙えば、自分から受けに来てくれるのは楽でいいな。……この偽善者め!」 ―BUST MODE― 吐き捨てるように言うと、更にカイザは光弾を撃ち込む。 ライダーマンはひよりを庇うため、それを受け続けるしかなかった。 「やめろ」 ガタックの怒りの声に呼応するかのように、肩に装備されたガタックバルカンが火を噴く。 しかし、カイザに油断はない。それを跳んで避けると、カイザブレイガンでまたも斬る!斬る!斬る! 「その攻撃は学習済みだ。発射する前と発射した後の隙が大きすぎる。君の取り柄は硬さだけ。さっさと死んでくれないかな?」 止めともいえる強烈な斬撃がガタックを襲う。ガタックの身体は大地へと崩れ落ちた。 (勝てないのか、僕は?) 氷川は悔しかった。ガタックという力を得ながらも、時間稼ぎにすらならない自分に。 『根性見せなさい!』 親しき上司の声が聞こえた気がした。 (そうだ。今は根性を見せるべき時、無理をすべき時だ。勝てなくても、なんとかして、ひよりさんたちを守らないと) 全身の力を振り絞り、氷川は再び立ち上がる。戦いの神、ガタックとして。 『それでいいわ』 (また、声が聞こえた。……これは幻聴じゃない!?) 見上げた視線の先にいたその声の主は、紛れもない、氷川の上司の姿であった。 「小沢さん!」 「その声は氷川くんね。どうやら、こっちに来て間違いじゃなかったようね」 小沢の隣には矢車と南の姿。 (あの女は誰だ?何故奴らがここに?) 突然の闖入者に動揺するカイザ。だが、すぐに冷静さを取り戻すと、策を巡らせる。 (そんなことはどうでもいい。今はこの場をどうするかだ。逃げるか?いや、状況はこちらに有利だ。 女は知らんが、矢車は戦えるような装備はもっていなかったはずだ。単純バカの南に手出しさえさせなければ、なんとでもなる) カイザは心の中で邪悪な笑みを浮かべると、南に話かけた。 「南くん、俺です。乾です」 「乾さん、あなたなんですか?すると、その姿がファイズ」 「そうです、南君。それにしても、どうしてここに?いや、今はそんなことより、こいつらを倒す力を貸して下さい。 こいつらは珠純子さんを殺した秋山蓮の仲間です。そいつは警官の制服を着た男とそいつは緑色の怪物に変身する女です」 カイザはガタックとひよりを指し、糾弾する。 「嘘を言うな!騙されるな、南!そいつは草加雅人。復讐のために自分を失った殺戮者だ!」 「……そうは言っても、乾さんの悲しみと怒りは嘘を吐いているようには見えなかった。 その人のベルトに付いているクワガタ型のメカも俺を襲ってきたことがあります。 それにあなたは俺のことを知っているようですけど、俺はあなたのことを知らない。いきなり信じろって、言ったて無理な話です」 (しまった、今の南は俺のことを知らないのか) ライダーマンは南が自分のことを知らない現状に歯噛みする。 ただでさえ、不利な状況で、南がカイザについたら、どうしようもなくなる。だが、説得する方法がない。 (ふふっ、もう一押しだな) カイザが畳み掛けようと、次の言葉を紡ごうとした時、今度はガタックが口を開いた。 「小沢さん、信じてください。ひよりさんは確かに怪人に変身できますが、僕を助けてくれました。結城さんもです。 ひょっとして、彼は何か誤解しているのかも知れませんが、ひよりさんも、結城さんも僕たちの味方です」 ガタックの訴えに小沢が応える。 「そうね、私は信じるわ。どう?乾だか、草加だか、知らないけど、話し合わない?」 (それじゃあ、困るんだよ) 話し合いになったら、自分の嘘がばれてしまう。 南光太郎にばれるのはいい。馬鹿は何度だって、騙すことができる。 例え一万回騙されても、馬鹿は一万一回、嘘を信じる。 だが、障害になるであろう幾人かの聡明な奴らはそうはいかない。嘘を吐いた奴を二度とは信じない。 「うるさいなぁ。こいつの知り合いみたいだけど、そんなこと言って、油断させておいて、俺と光太郎くんを殺すつもりじゃないのかい?」 「なっ!あんたね」 「図星みたいだね。光太郎くん、騙されちゃ駄目だよ」 カイザは親しみを込め、呼び方を南くんから、光太郎くんへと変える。 南は沈黙する。どちらを信頼すればいいのか決めかねてるのだ。 (このまま時間切れになっても困るな) 「なら、黙って見ているといい。正義は必ず勝つ。戦いで俺が正しいことを証明してやる」 両手を広げ、フォンブラスターをライダーマンに、カイザブレイガンをガタックに向ける。 「待て!」 今まで沈黙を守っていた矢車が突然、声を上げた。カイザは苛立ちながらも構えを解き、再度言葉を紡ぐ。 「うっ、ううん。何かな?あんまり長引くと、敵の思う壺なんだけど」 「すぐ済む。……南くん、変身するんだ」 「「「「「えっ!?」」」」」 その場にいる全員の声が重なった。 顔に表れるのは困惑の色。ただひとり、ほくそ笑むカイザを除いては。 BATTLE4-1:市街地E6エリア ―SWORD VENT― 機械的な音声と共に剣が手に握られる。 同時に変身したふたりは、同時に剣を構えると、同時に相手へと向かっていった。 赤きスーツの龍騎が握るのはドラグセイバー。ドラグレッダーの尻尾を模した青竜刀型の剣。 黒きスーツのナイトはダークバイザーを握る。カードによる召喚を司るナイトの基本装備だ。 火花を散らし、切り結ばれる、ふたつの剣。 その剣には互いの想いが宿っていた。 愛する人を救いたい。友の間違いを止めたい。愛情と友情。それは共に『献身』という名の感情を元とする力だった。 何度かの鍔迫り合いの後、徐々にナイトが龍騎を押し始める。 相手を殺すために戦っている者と、相手を止めるために戦っている者とでは、動きに差が出るのは当然だ。更に元より剣術ではナイトの方が上。 最初から龍騎に勝ち目などなかった。 ただし、それはナイトの知る時点の龍騎だったらの話しだ。 「はっ!」 ナイトがドラグセイバーを狙い、突きを打ち込む。この一撃で剣を落とし、一気に決着を着けるつもりだ。 ダークバイザーはナイトの思った通りの場所に当たり、龍騎はドラグセイバーを落とした。 そこまでは予定通り。予定外だったのは、龍騎が怯んだ様子を見せず、突っ込んできたこと。 龍騎は懐に入ると、無数のボディブローを打ち込む。 リーチの差。剣を握っての近距離戦はナイトが強くとも、差が本当にわずかの近接戦ではパワーと防御力に長けた龍騎に部がある。 懐に潜られては剣も満足に振るうことができない。 戦いは一気に龍騎のペースになった。ナイトは懸命に間合いを広げようとするが、一度縮まった差は中々開かない。 「とりゃ!」 龍騎の渾身の力が篭もったアッパーカットがナイトの顎を捉えた。脳が揺らされ倒れ伏すナイト。 それでようやく龍騎との間合いが開いた。 「はぁ、はぁ、どうやら本気らしいな」 「……ああ、本気だ。俺は本気でお前を止める」 「いい度胸だ」 ナイトの記憶とは違う龍騎のアグレッシブな攻撃にナイトは決心を固める。 ベルトに装着されたデッキから一枚のカードを取り出した。 「これで心置きなくお前を殺せる」 ―FAINAL VENT― バイザーに装填されるカード。バイザーより発せられた声が示すカードはナイトが本気であることを示していた。 「蓮」 ―FAINAL VENT― 龍騎のドラグバイザーからも同様の音声が流れる。龍騎も本気だ。 鏡より現れるダークウィングとドラグレッダー。 ダークウィングはナイトの翼となり、ナイトを空高く舞い上がらせた。 ドラグレッダーは力を溜め、構える龍騎の周辺を舞い、その力を鼓舞する。 「城戸!」 「蓮!」 マントを螺旋状に纏い、全てを貫くドリルにして、落下するナイト。 それに対抗して、地上より飛び上がり、ドラグレッダーの炎を受け、キックの体勢をとる龍騎。 お互いの必殺技は空中でぶつかり合い、爆ぜた。 神代剣は物陰から、一組の真剣勝負の行方を見守っていた。 自分の目的はみんなを幸せにすること。そのために、このゲームの参加者には一人残らず死んでもらわなければいけない。 だが、いくら自分の目的を果たすためとはいえ、真剣勝負の邪魔をする気にはならなかった。 互いがどういう関係かはわからない。復讐か、因縁か、殺し合いに乗っているというだけで、まったくの初対面という可能性もある。 しかし、どんな理由であれ、命を賭け戦うその姿は剣の心を振るわせ、感動させる。 (思う存分戦うがいい。その勝負を終えた時、今度は俺がお前たちの相手になる。その罪を消すために、神に代わって剣を振るおう) 神代剣はサソードヤイバーを握り締め、戦いの終着を待った。 BATTLE1-2:市街地F6エリア 「どうやら少し、侮っていたようだな」 斧と盾を携え、カニレーザーは、倒れ伏すカリスの前に佇む。 カニレーザーのレーザー光線は、カリスの身体を貫いた。カリスアローの一撃より、レーザーの一撃の方が早かったのだ。 カリスの胸と背中の装甲はレーザー光線の熱量により、溶け、破壊されている。 しかし、カニレーザーも無傷というわけにはいかなかった。 彼の頭上にあるレーザー発射装置はカリスアローの一撃により破壊され、もう使い物にはならない。 「油断の代償か。いや、この男がそれだけ強かったということだろう」 黒き甲冑の戦士に、カニレーザーは敬意を表する。だが、だからといって、この男をこのまま眠らせるつもりはない。 「首輪をいただくぞ。偉大なるデーストロンのためにな」 カニレーザーはカリスの身体を蹴り、うつ伏せから仰向けにすると、その首に狙いを定め、斧を振り上げた。 「!」 斧がカリスの首に届く直前、カニレーザーは手を止め、辺りを警戒する。 (……なんだ、この殺気は) 突如、自分に向けられた強烈な殺気。歴戦の勇士であるカニレーザーでさえ、気を張っていなければ身震いしてしまいそうだ。 カニレーザーは辺りを探るが、そのあまりの強さに、四方八方から寄せられているように感じられ、どこから向けられているのか、特定することができない。 「どこだ!一体、どこにいる!」 大声で叫ぶのは恐怖している証。 頭では理解していても、膨れ上がる恐怖は自ずと虚勢に直結する。 「どこだ!どこだ!!どこだ!!!」 恐怖するカニレーザーの後方で、その殺気の源たる残忍なる殺戮者はゆっくりと立ち上がった。 カニレーザーはその気配を察知し、今まで声を張り上げていた口を閉じる。 『見るな。逃げろ』 恐怖に圧倒された心が警告する。だが、カニレーザーの戦士としての誇りがそれを許さない。 カニレーザーは殺気の正体を確認するため、振り返った。 そこに立っていたのは先程、自分が倒したはずの黒き甲冑の戦士。 胸の装甲に穴を空け、虚空を見て佇むその姿は、さながら、幽鬼のようだった。 いつの間にか場に充満した殺気はなくなっていた。いや、違う。殺気はひとつの箇所に集まっていた。 カリスの胸にぽっかりと空いた穴の向こうに。 「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」 カリスから上がる咆哮。それと共に発せられる緑色の光を帯びた衝撃波。 カニレーザーは盾を掲げ、身を隠した。 程なくして襲い掛かる衝撃。じりじりと押されていく身体。 「ぐうっっっ!」 耐えうる限界が近づく中、歯を食いしばり、限界値を上げる。 数秒の後、ようやく閃光が消え、それと同時に衝撃も治まる。 (治まったか) 顔を上げた途端、不意討ちを受けては堪らない。 カニレーザーはすぐに攻撃に移れるよう斧をしっかりと握り、今度は慎重に顔を盾から出した。 (いない?) その衝撃波の影響を受けて、もはや辺りの建物は全て廃墟と化していた。 瓦礫の山などかわいい物。ほとんどは粉微塵になり、廃墟というより荒地といったところだ。 (だが、そんなことはどうでもいい。問題は奴がどこにいったか……) ガランと音を立て、左手に握っていた盾が落ちた。 手を滑らせたのかと思い、カニレーザーはそれを拾おうとする。 しかし、拾うことは出来なかった。カニレーザーの左手は変わらず盾を握り続けていたのだから。 落ちたのは盾ではなく、カニレーザーの左手だったのだから。 「な、何!?」 事態を把握するための一瞬の思考。それはそいつにとっては、充分な隙になった。 カニレーザーの左側から駆けて来る緑色の影。そいつはカニレーザーの懐に入るとその胸を切り裂いた。 「ぐがぁ、……おのれ!」 力任せに斧を横薙ぎに振るう。 そいつはあっさりバックステップで避けたが、間合いを離すことはできた。 そこでようやくカニレーザーは相手の正体を確認する。 黒と緑の彩られた虫のごとき生体部に、顔と胸に彩られた緑色の結晶。 左手に鋭き手鎌を持ち、右腕からはその鎌に負けない鋭さを誇る爪を生やしている。 カニレーザーが注目したのはその胸と腰に巻いたベルト。 胸には大きな傷があり、緑色の血が流れている。そして、そのベルトは色こそ違うもののカリスが付けていたベルトに酷似していた。 そうそれはカリスの真の姿。彼の役割と同じ名前を持つ残忍なる殺戮者――ジョーカー。 (こいつが、奴の正体というわけか。抜かったわ、まさか怪人が変身していたとは) ドクトルGは自分の甘さを悔いる。自分の甘さ故に失ったレーザーと左手。 残る武器は右手とその手に握られた斧、腰に挿した1対の長短剣のみ。 (結城と変わらんな。いや、奴は自分の甘さを享受する覚悟があった。今の俺は奴にすら劣る) 対して、ジョーカーは胸に傷を負っているものの五体満足な身体に手鎌と爪。 衝撃波に加え、カニレーザーの左手を落とした斬撃技と、遠距離でも戦うことが可能だ。 絶体絶命ともいえる状態。だが、それでもカニレーザーの闘志が消えることはなかった。 (だが、俺は偉大なるデーストロンの勇者、ドクトルG!今、この場で、自分の甘さを克服する!!) 戦士の誇りが、恐怖に打ち勝つ。カニレーザーは唸るジョーカーの眼を真っ直ぐに見据え、斧を自分の身体とは平行に構えた。 「アバラーー!来るが良い!今度こそ、その首、掻っ切ってくれるわ」 「グルォォォォォ!」 獣の咆哮を上げ、襲い掛かってくるジョーカー。 カニレーザーは斧を横に薙ぎ、ジョーカーを迎え撃つ。 それをジャンプして避けるジョーカー。続いて、空中から手鎌を振るった。 だが、カニレーザーにとって、それは予想していた通りの攻撃。 薙いだ斧の勢いのままに身体を回転させ、そのまま、空中にいるジョーカーを狙い、斧を振るった。 「ギェェェェッ!」 辛うじて右腕の爪で防御する。だが、回転の勢いが付加された斧の勢いは重く、そのままジョーカーを跳ね飛ばした。 (姿形は変わっても戦法は変わっておらん。接近戦ならば俺の方が有利だ) 跳ね飛ばしたジョーカーを追って、再度、斧を振るう。今度は跳ね飛ばぬよう頭上からの真っ向両断。 振り下ろされる斧。ジョーカーは手鎌と爪で、斧を挟み込むと、なんとか自分に当たる前にその動きを止めさせた。 しかし、力はカニレーザーの方が上。そのまま切り裂こうと、右腕に全身の力が込められる。 ジョーカーの顔面まで、あと5ミリ、4ミリ、3ミリ。 「ウォォォォォォォッ!!!!!」 雄叫びと共に、再び緑の閃光がジョーカーから発せられる。 衝撃波。カニレーザーは理解したが、もはや避ける暇などない。そのまま、もう一度、全身の力を右腕に込める。 ジョーカーの顔面まで、あと2ミリ、1ミリ、0ミリ。 ジョーカーの顔に斧が到達する。しかし、その瞬間、衝撃波がカニレーザーの身体を襲った。 「ぐわぁぁぁっ!!」 吹き飛ばされるカニレーザー。 見えざる衝撃に襲われたカニレーザーの身体は空中高く舞い上がり、カニの甲羅を模した青き装甲が粉々に破壊されていく。 遂には、防毒マスクを付けていたような怪人の顔から人間の顔へとその姿を戻していった。 制限によるものではない。ドクトルGの体力は変身した姿を保てないほど、消耗してしまったのだ。 やがて緑の閃光が治まると、受身も取れずドクトルGは地面に落下していった。 「グルルゥゥゥ!」 殺戮者の本能か、止めを刺す為に、ドクトルGへと近づいていくジョーカー。 ドクトルGはしっかりと握り締めていた斧も離し、眼を閉じて微動だにしない。 ジョーカーはドクトルGに向けて、鎌を振り下ろした。 「グォォォォ!」 だが、悲鳴を上げたのはジョーカーだった。ジョーカーの胸に深々と刺さる短剣。 「真似させてもらったぞ。死んだふりをな」 ドクトルGの手に握られたのは腰に挿していた短剣だ。 脇差程度の意味しかなく、武人たるドクトルGにとって、大して意味を持たない装備であった。 しかし、それが決定打となろうとしている。 「使えるものは何でも利用し、講じれる策は全て講じる。それがデーストロンだ!」 渾身の力が込められた鋭き刃は、胸を抉り、致命的な傷を与えた。 BATTLE2-2:市街地F5エリア 「ひとりで戦うだと?」 カブトの宣言に、オーガは耳を疑う。だが、人の思惑など自分に解るわけがないと、すぐに思い直す。 「まあいい。なら、とっととひよりのところへ行け。こいつは俺が相手をしてやる」 「ああ、シャドームーンの相手はお前がしろ。だが、俺も相手をする。ただし、お前のな」 「?」 言っていることがわからない。 ひよりともコミュニケーションがとりづらかったが、こいつは輪にかけて酷い。 神崎だって、もうちょっとマシだった。さすが、ひよりの兄だ。 オーガは妙なところで感心する。 「とにかく、こいつと戦えばいいんだな」 議論は無駄だと判断し、オーガはシャドームーンへと突っ込んでいった。 「さてと」 カブトはベルトの脇に手を添える。 「確かに梅干と鰻は食い合わせが悪い。だが、あるイタリア人は鰻と梅干を題材にスパゲティを作った。 食い合わせが悪いとは知らなかったからだが、その料理は非常に好評だった。 既成概念に拘るな。最初からないものだと思えば、新たな発想も生まれてくる。……クロックアップ」 ―CLOCK UP― カブトは加速した。 シャドームーンはオーガと切り結びながらも、カブトがクロックアップしたことを見逃すことはしなかった。 同じ手を使ってくるとは思えない。何か打開策を思いついたのだろうか? だが、見る限り、ライダーキックと腹への攻撃さえ気をつけていれば、力は自分にはとても及ばない。 (とりあえず、同じ手を使って様子を見るとするか) 左手でパンチを放つオーガ。シャドームーンはその腕を取って、また、位置を入れ替えるつもりだ。 (遅いな) 疲労によって、キレの失われたパンチを見切るなど、容易い。 紙風船をキャッチするような手軽さで、シャドームーンはオーガの左腕を取った。 「!!」 と思った。突如、加速したオーガの左手はシャドームーンの顔面を捉え、強烈なアッパーカットを叩き込んでいた。 (いきなり軌道が変わった。そして、拳の速度も上がった。どういうことだ?) 「……なるほどな」 不思議そうに自分の左拳を見つめていたオーガはその現象に合点がいったようだ。 オーガはオーガストランザーをホルスターに収め、格闘を開始した。 シャドームーンの眼には、オーガの動きはスローに見える。いくらパンチを打とうとも、キックを放とうとも、全て見切る自信があった。 だが、放たれる攻撃の全ては、いきなり軌道が変わり、速度が段違いに上がっていく。 (こいつの動き、今までとはまるで違う) オーガの攻撃はシャドームーンに次々と決まっていった。顎に、胸に、肩に、次々と炸裂していく。 しかし、それでもシャドームーンの冷静さが、崩れることはない。 ひとつの疑問の答え、それがこの劣勢の謎を解く鍵になることをシャドームーンは見抜いていた。 (奴は何をしている?) ―CLOCK OVER― その声と共に、度々、カブトの姿を確認することはできるが、またすぐにクロックアップして、その姿を消している。 だが、一向にカブトの攻撃はシャドームーンには届かない。 隙を窺っているのか。手を下すまでもないと考えているのか。それとも…… ―READY― オーガは再び、オーガストランザーを抜き、ミッションメモリーを挿し入れると、刀身を伸ばす。 「死ね!」 身体を半身にし、オーガストランザーを平行に構える。突きの構えだ。 オーガの後ろを見ると、カブトはまた、ベルトの脇に手を添えるところだった。 ―CLOCK UP― カブトの姿が消えた。同時にオーガは動きだす。それで、シャドームーンは理解した。 (考えたものだ) 「シャドーフラッシュ!」 シャドームーンのベルトより、眩き光が辺りを照らす。 シャドームーンの奥の手、相手の行動を一時的に抑制する神秘の光。 光はカブトの姿を顕にした。カブトはオーガの近くに姿を現す。 「見破ったぞ」 シャドームーンが見破ったカブトのとった戦法。それはオーガを攻撃することだ。 オーガが攻撃するタイミングを見計らい、その腕に、足に、力が伝達するように拳を打ち込む。 結果、オーガの攻撃にはカブトの攻撃の威力と方向が加わり、シャドームーンも予期できない攻撃が生まれる。 クロックアップで眼にも留まらぬ速度で動けるカブトだからこそ、できる戦法であった。 しかし、シャドームーンはそれを見破る。 オーガの攻撃のリズムとカブトが消えてから現れるまでのタイミングが同じだったこと。 カブトの攻撃を受けるために、オーガの攻撃が直線的なものだったこと。 カブトが指摘した通り、シャドームーンの戦闘センスと分析力は並大抵のものではなかった。 「ふん!」 シャドームーンは大地を蹴り、空中高く飛び上がる。 シャドームーンの狙いはカブト。シャドームーンは足を抱えるように曲げ、そのまま、一気に解き放った。 「シャドーキック!」 ―EXCEED CHAGE― オーガは急ぎ、オーガフォンのエンターキーを押し、オーガストランザーにエネルギーをチャージさせる。 「間に合え!」 カブトを庇い、強大なエネルギーが加えられて巨大化した刀身を、シャドームーンに向けて、放つ。 ぶつかるシャドーキックのエネルギーとオーガストランザーのエネルギー。 「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」 吼える二人のライダー。 今回、その勝負を制したのはシャドームーンだった。 伸びたオーガストランザーをへし折り、シャドームーンはオーガへと迫る。 (駄目か!?) 「充分だ」 オーガの心の声が聞こえたかのように、カブトは応える。 「止まった?」 オーガまで後2メートル、シャドーキックによるオーガストランザーの崩壊が止まった。 シャドームーンは足より失われていくエネルギーに困惑している。 「そうか」 「10分だ」 ―EXCEED CHAGE― 再び、チャージされ、伸長を始めるオーガストランザー。 異変を察知したシャドームーンはオーガストランザーを蹴ると、宙返りをし、距離をとった。 だが、オーガストランザーの伸長は止まらない。 最大まで太く伸びたオーガストランザーを、オーガはシャドームーンに振り下ろした。 「やめろ」 決まったと思った瞬間、オーガの耳に、カブトの制止の声が届く。 「ちっ!」 訳がわからないオーガだったが、その腕を無理やり右へと逸らす。 シャドームーンのわずか1cm横に炸裂するオーガストランザー。 その破壊力は地表を焼き、道路を破壊した。そして、生まれた衝撃波は、破壊したコンクリートの破片をシャドームーン諸共吹き飛ばした。 巻き上がる砂塵、視界が塞がられる中、オーガは変身が解けたであろう天道に真意を問う。 「何故止めた?」 「結城丈二は言っていた。シャドームーンは襲われなければ、戦いを挑まないはずだとな。 それに、シャドームーンはわずかな時間とは言え、ひよりを守っていた。氷川が言うにはな」 「ふん」 オーガは黙るしかなかった。 元々、天道を守り、ひよりと再会させるために始めた戦いだ。無意味な殺戮が目的ではない。 それにひよりを守っていたという事実はオーガの戦意を削ぐには充分すぎる理由となった。 ―カシャ、カシャ 特徴的な足音が鳴る。 それは視界が塞がられていても、シャドームーンがそこにいることを示していた。 「まだ、やるのか?」 オーガは前へ出る。オーガへの変身はあとわずかで解けるが、リュウガへの変身は可能だ。 (できるなら戦いたくないがな) 警戒するオーガ。沈黙するシャドームーン。ピリピリとした緊張感が場を支配していた。 しかし、その緊張感をものともしない男は声を発した。 「シャドームーン、お前は何のために戦っている?」 「?」 またもオーガの頭に浮かぶ疑問符。しかし、今度はその言葉の意味について、真剣に考えることになった。 (俺はひよりを守り、天道と会わせるために戦っている。だが、それは今の話しだ。それが叶えられたなら何のために戦うのだ?) 困惑するオーガをよそにシャドームーンは言葉を返した。 しかし、それは問いに対しての答えではなく、自分の用件のみを淡々と伝えただけだった。 「風見志郎に伝えておけ。借りは必ず返す。それまで首を洗って待っていろとな」 再び、特徴的な足音が鳴る。それは少しずつ遠ざかっていった。 やがて、砂塵は治まり、視界は良好な状態を取り戻す。 (……まあいい。その答えはまた考えよう。今の自分がやるべきことは決まっている) オーガは変身を解くと、天道へと向き直った。 「いくぞ、ひよりが待っている」 「待て」 「ふぅー、まだ何かあるのか?」 いいかげん天道のオレ様ペースには辟易してきた。 だが、天道はそんなリュウガの思いに気付いているのか、いないのか、至ってマイペースだった。 ひよりが向かった方向とは逆の方向を向き、歩き出した。 「おい、そっちは逆方向」 「どうやら向こうも決着がついたようだな」 天道の視線の先を見ると、そこにはドクトルGの姿があった。 リュウガは一目でドクトルGの状態を見抜く。 「遅かったな。苦戦したのか?」 「天道、そいつは……」 「ふっ」 不適な笑みを浮かべた天道に合わせて、ドクトルGもニヤリと笑う。 だが、その笑みは一瞬にして壊れた。 「…………ゴファ」 ドクトルGの口から大量の赤い血液が溢れ出る。 「ドクトルG」 「来るな!……来るんじゃない」 駆け寄ろうとする天道をドクトルGは制止する。 ドクトルGは斧を杖代わりに使い、懸命に立っていようとしている。 (どうやら、眼が曇っていたようだ) 赤い衣装のせいで判別しづらかったが、その布は全体が赤く染まり、多量の血液が流れ出たことがわかる。 身体中には大小様々な傷が付けられていたが、特に胸の傷が酷い。 ここまで来れたのが不思議なほど、深く抉られている。 「ふふっ、俺としたことが抜かったわ。情けないことだ。結城に伝えてくれ。デーストロンの運命はお前に任せるとな。 絶対に生き残り、偉大なる首領に未知の技術を持ち帰れと」 「わかった。必ず伝える」 「か、仮面ラーイダに遺言を頼むことになるとは。お前は俺が殺すはずだったというのに命拾いしたな」 ドクトルGの呼吸のリズムが徐々に荒く、それでいて薄くなってくる。もう長くない。 「このドクトルG、ただでは死なん」 ドクトルGは斧を自らの首へと添えた。 「受け取れ!デーストロン!バンザァァァイ!!!」 忠義の言葉を上げ、ドクトルGは自分の首を一気に切り落とした。 派手に血を噴き出させ、崩れ落ちるドクトルGの身体。そして、ポトンと地面へと落ちるドクトルGの首。 その表情は最後までデストロンへの狂信的な信仰を証明するかのように、恐怖ではなく、喜びに満ち溢れていた。 「ドクトルG……」 天道はその遺体に駆け寄ると、落ちた首輪を拾う。 「これは有効に使わせてもらう。悪いが墓を作っている暇はない。せめて……」 天道はドクトルGの顔に触ると、見開いた眼を閉じさせる。 「安らかに眠れ」 ドクトルGは忠義のために戦った。 彼の忠義という精神は『献身』によく似ている。 組織のために尽くすか、人のために尽くすか、その違いはあれど、彼はその精神に従って、散っていった。 BATTLE3-2:市街地F4エリア 小沢たちが氷川たちと会うことができたのは、意外にも南光太郎の判断が原因だった。 小沢は城戸を探すためにF7エリアに向かうことを提案した。 だが、南光太郎は引き払わなければならなくなったら、G5エリアからでも見える一番高いビルの屋上で落ち合おうと言った草加の言葉を思い出したのだ。 南光太郎は小沢に進言し、矢車もそれに同意した。最終的に小沢たちは行き違いになることを防ぐため、北東ではなく、北西に移動することになった。 その結果、小沢たちは氷川たちと出会うことになる。だが…… 「どうした、南くん。君は変身できるのだろう?」 「矢車さん。確かに変身は出来ます。でも、本当に彼らは敵なんですか?」 「ちょっと、あなた何言ってるのよ!氷川くんたちは味方よ!敵はあの黄色い方だわ」 南の疑問の声を受けても、小沢の非難を受けても矢車の表情は変わらない。ただ、同じ言葉を繰り返すだけ。 「南くん、変身するんだ。俺を信じろ!」 「……わかりました」 矢車の瞳の奥に何かを見た南は決意した。 「変身」 太陽をつかむように右腕を上げ、ゆっくりと顔まで下ろす。 悪を振り払うかのように右腕を払い、立ち向かうことを鼓舞するかのように左腕を立てる。そして、空中へと飛び上がった。 太陽の力が体内のキングストーンに増幅され、彼のベルト、サンライザーを具現化させる。 そして、光のエネルギーを南光太郎の全身に行き渡らさせることで、黒き太陽の子が誕生する。 「俺は太陽の子!仮面ライダー、BLACK!アール!!エックス!!!」 「それが君の仮面ライダーとしての姿か。……南くん、乾くんの隣へ」 矢車の言葉に肯くと、RXはカイザの隣へと跳んだ。 並び立つカイザとRX。その悪夢とも言える光景にライダーマン、ガタックは気圧される。 「南くんを俺の隣に来させたってことは、俺のことを信じてくれたって解釈でいいのかな?」 「ああ、信じるさ。だから、あとは南くんに任せて、下がっていろ。変身を解いてな」 「何?」 疑問の声を上げるカイザを、矢車は正面から見据える。 「変身を解けと言ってるんだ。相手は手負いの3人。後は南くんで充分だからな。……それとも、何か変身を解けない理由でもあるのか?」 「何を言ってるのかな?戦闘中だというのに変身を解けるわけないじゃないか」 その答えに矢車は笑みを浮かべた。 「俺は矢車想という。49番目の参加者だ。俺は出発するまでの間、全員の顔と名前を覚えた。 乾くんのことはとても印象に残っているよ。あの状況で神崎に挑みかかるなんて、とてもできることじゃない。 でも、今の君はあの時と大分印象が違う。あの時の乾くんは炎のようだったが、今の君は氷。まるで別人のようだ」 「お前」 「さあ、どうする?」 カイザは矢車の意図を理解した。矢車は最初から自分を信用などしていない。 RXをわざわざ隣にまで来させたのは、自分を逃がさないためだ。 (まったく、どいつもこいつも。だけど、少し甘いんじゃないかな?) 「乾さん」 「ふふっ、そんな不安そうな声を上げなくてもいいよ。今、変身を解くからさ」 カイザはカイザブレイガンをホルスターに、フォンブラスターをベルトに収めた。 RXが安堵のため息を漏らす。 「油断するな、南くん!」 「遅い!」 カイザはゼクトマイザーを取り出すと、RXに向かって放った。発射された無数の蠍型爆弾がRXにまとわりつく。 「ははっ、次は君たちだ」 続いて、矢車たちとひよりにマイザーボマーを発射する。 「危ない!」 矢車たちに急ぎ駆け寄り、自らの身を盾とするガタック。ひよりの盾にはライダーマンがその身を捧げる。 「やっぱり甘いな、君たちは」 カイザは踵を返し、その場から逃げていった。 「まずい、逃げられる」 追おうにもマイザーボマーはしつこくまとわりつき、動くことができない。 その時、この場で最も熱い男の怒りが爆発した。 (乾巧、いや、草加雅人。許さん!) 「キングストーンフラッシュ!」 神秘の石、キングストーンより放たれた光がマイザーボマーのエネルギーを奪い、ポロポロと落としていく。 RXはその全てを無力化したことを確認すると、カイザを追って、走って行った。 残ったのは矢車、小沢、ひより、ガタック、ライダーマンの5人。 ライダーマンの負傷は激しく、とても動くことはできない。 それはガタックも同様だったが、彼の不屈の闘志はまだ休もうとはしていなかった。 「氷川くん、大丈夫か?」 「はい、矢車さん。僕も彼を追います。彼はここで倒さないと、いつか志を同じとする者と戦うことになるかも知れない」 「同感だ。見たところ、君が装着しているその装備はマスクドライダーシステムの新型だ。奴を追うためには……角を上げるんだ、氷川くん」 「角を……上げる?」 逃げるカイザ、それを追うRX。 だが、RXは一向に追いつけない。姿を見つけてはカイザブレイガンで牽制され、差を広げられる。 しかし、諦めることを知らないRXに、徐々にカイザはイラついてきた。 (しつこいな。もう時間もない。……仕方ない、戦うかな) カイザは歩みを止め、不意討ちのため、身を潜ませようとした。 その時、舞い起こるのは一陣の風。カイザはその風の行き先に眼を向けた。 そこには青き鬼神が立っていた。先程までとは違う、身軽そうな姿で。肩にはバルカン砲に代わり、剣を携えて。 表れたのは仮面ライダーガタック・ライダーフォーム。 「逃がさない」 「その姿で来たってことは、誰かに戦い方を教えてもらったのかな?」 睨み合う二人。程なくして、RXもその場へと姿を見せた。 「一対二か」 「いや、一対一だ!南さん、こいつは僕に任せてください。こいつは僕が倒します!」 ガタックは肩のガタックダブルカリバーを取り、構える。 ガタックの並々ならぬ気迫を感じ取ったのだろうRXは静かに肯くと、身をひいた。 「馬鹿かな?君は。君も、そいつも、みんな馬鹿ばっかりだ」 だが、カイザには好都合だった。ガタックを重症に追い込めば、RXは介抱をせざる得ない。 ガタックに変身している氷川は満身創痍。それにガタックとは一度戦って、手の内は知り尽くしている。 負けは絶対にない。 カイザブレイガンにミッションメモリーをセット、伸びる黄光の刀身。 「「いくぞ」」 同時に発せられた言葉。ガタックはカイザへと一直線に走った。 しかし、カイザは動こうとせず、そのまま引き金を引いた。 「うわっ」 剣で切り結ぶものだと思っていたガタックは避けられず、光弾をくらう。 「馬鹿正直なんだよ、君は。それで俺に勝てるつもりなのかな」 改めて、ガタックへと向っていくカイザ。彼の頭部目掛けて、カイザブレイガンを振り下ろす。 間一髪、ガタックはそれを右の剣――プラスカリバーで受けると、左の剣――マイナスカリバーで跳ね上げようとした。 だが、カイザはそれを察知し、カイザブレイガンを引くと、がら空きになった体に蹴りを打ち込む。 そして、間合いが開くとカイザフォンをフォンブラスターに変え、カイザブレイガンと同時に光弾を放った。 ―CLOCK UP― 「ちっ」 鳴り響いた音にカイザは舌打ちをする。クロックアップの効果は理解している。 今、撃った光弾は当たる前に避けられた。だが、慌てることはない。いくら早くても見切れないほどではないのだ。 そして、ガタックの動きも直線的だった。まっすぐこちらに向かってくる青い影。 「まったく……少しは工夫してくれよ!」 タイミングを見計らい、カイザブレイガンを切り上げる。 絶妙のタイミングにスピードのついたガタックは避けることができず、その斬撃をくらうしかなかった。 ―CLOCK OVER― 勢いよく地面に転がるガタック。 (強い) ガタックが短い時間で矢車から得た情報はふたつ。 キャストオフとクロックアップ。ライダーフォームへの変化と高速移動だ。 だが、そのふたつとも、カイザには通用しているとは言いがたく、ガタックには反撃の手段が思いつかなかった。 それも無理からぬこと。氷川にとって、ガタックは所詮仮初めの装備。 戦闘経験では氷川も草加に負けてはいないが、かたや数々の激戦を共に潜り抜け、癖を知り尽くしている装備と初めて使う装備とでは条件が違いすぎる。 しかし、氷川は逃げることを知らない。どんな状況でも立ち上がり、相手を真っ直ぐに見据える。 「気に入らないな。その眼……」 「氷川くん!」 あまりの劣勢にRXは助けに入ろうとする。だが、その行為はカイザに遮られた。 「おいおい、一対一の約束だろ。それとも、仮面ライダーっていうのは約束を破る卑怯者なのかな?」 助けたいのに助けることができない状況にRXは歯噛みする。だが、その言葉はガタックの心に火を点けた。 「違う!仮面ライダーはみんなに希望を持たらす存在です。僕はこの戦いで何度も仮面ライダーに助けれた、希望をもらいました」 ガタックの脳裏に浮かぶのは様々な仮面ライダーの姿。斬鬼、ナイト、オーガ、ライダーマン、そして、2人のアギト。 「仮面ライダーは闇を切り裂き、光をもたらす!あなたも仮面ライダーのひとりだったはずです!思い出してください、仮面ライダーだった時の想いを!」 「何かと思えば今度は命乞いかい?気安く真理の言葉を口にするな!!」 ―EXCEED CHAGE― カイザフォンのENTERキーが押されることにより、カイザブレイガンにエネルギーがチャージされる。 憤怒したカイザはそのまま、ガタックへと斬りかかって行った。 その時、氷川の仮面ライダーへの想いが小さな奇跡を起こした。 斬撃を防ぐために重ねたガタックダブルカリバーはひとつになり、大鋏の形態へと変化する。 ―RIDER CUTTING― 鳴り響く電子音。ガタックはカイザブレイガンをそれで受け止める。 「何!?」 「うぉぉぉぉっ!」 チャージされたカイザブレイガンの刀身とガタックダブルカリバーの間で激しく飛び散る火花。 へし折られたのはカイザブレイガン。 氷川はそのままガタックダブルカリバーでカイザの胸を突いた。 「君は……」 体勢を崩しながらも、カイザはゼクトマイザーを構える。マイザーボマーなら動きを止められる。 ―CLOCK UP― しかし、加速したガタックはマイザーボマーが発射されるより早く、ゼクトマイザーを叩き落す。 そして、そのままガタックダブルカリバーで高速の3連撃を打ち込んだ。 右袈裟、左袈裟、回転しての横一文字斬り。 ―CLOCK OVER― クロックアップが終わり、カイザは大地へとゆっくりと崩れ落ちた。 「はぁはぁはぁ」 ガタックの声から漏れるのは歓喜の声でなく、疲労の吐息。ガタックも膝は折れかけていた。 「やったな!氷川くん」 いつの間にか、矢車もその場に駆けつけていた。 ガタックは心配かけまいと、もう一度、全身に力を入れた。 そして、大丈夫であることをアピールするため、手を上げようとする。 そのとき、ガタックの後ろで男がゆらりと立ち上がる。 「氷川くん、後ろだ!」 カイザは唯一残された武器、フォンブラスターをガタックの顔面に構えた。 「死ね」 「RXパンチ!」 フォンブラスターが放たれる瞬間、RXのパンチが、カイザの右腕を粉砕する。 「もう止めるんだ。勝負はついた」 しかし、それでもカイザは止まらない。 既に身体の限界は当に超えている。今のカイザを動かしているのは世界の全てに対する憎悪。 「うるさいな、うるさいな、うるさいな。真理のいない世界なんて意味はないんだよ」 カイザはガタックとRXへと襲い掛かる。既に冷静さは失われ、がむしゃらにパンチやキックを放つだけ。 狂気に染まるカイザの瞳。彼に届く声はない。 「氷川くん!そのゼクターにはボタンのようなものがあるはずだ。それを押すんだ」 「スイッチ……これか」 カイザの攻撃を避けつつ、ガタックはガタックゼクターの背中にあるボタンを押す。 すると、機械的な音声が鳴り響いた。 ―ONE― 「もう一回だ!」 ―TWO― 「もう一回!」 ―THREE― 「角を戻せ」 矢車に言われるがままにボタンを押し、ガタックゼクターの角を通常の状態に戻す。 「させるか!」 矢車が何をさせようとしているか、思い当たったのだろう。カイザはガタックに狙いを絞り、突っ込んできた。 しかし、それを察知したRXは受け止めると、逆に体当たりでカイザをよろめかせた。 「今だ、角を上げて、蹴り込め!!!」 キャストオフを行うように、ガタックゼクターの角を上げる。 ―RIDER KICK― ガタックゼクターから音声が流れ出す。その音声が、ガタックに何をすべきか指し示した。 ガタックの脳裏に浮かぶのはアギトのライダーキック。 それと同じように、ガタックは空中高く飛んだ。そして、カイザに狙いを定めると体勢を整える。 「ライダーキック!!!」 渾身の力を込めたライダーキックはカイザの胸へとめり込む。 「っ、ぁぁ、ま……り」 カイザの身体中に張り巡らされた黄色の帯。それに伝わるように身体中に衝撃が駆け抜けていく。 そして、その衝撃は帯の元である彼のベルトにまで行き渡らせた。 カイザから外れ、吹き飛ぶベルト。同時にカイザは草加雅人への姿へと戻り、ゆっくり意識を失っていった。 倒れ伏す草加に矢車が駆け寄る。 彼の上体を起こすと、矢車は首筋に手を当て、脈を確認した。 「死んでしまったのでしょうか?」 「いや、生きている。気を失っているだけだ。ライダーキックまでも受けていながら……執念だな」 「よかった」 ガタックへの変身を解いた氷川がため息を吐く。今度は安堵によるものだ。 「殺されかけたというのに、君は相当のお人よしだな」 矢車としては、草加はここで止めを刺しておくにこしたことはないと思っていた。 草加のような奴を生かしていては、必ず不協和音となり、脱出の障害となる。 真っ先に脈を確認したのも、生きているかを確認したのではなく、死んでいるかを確認したかったのだ。 しかし、氷川は草加が生きていることを良かったといった。見ると南もそれに同意しているような眼をしている。 (このメンバーでは止めを刺すことを提案しても駄目だな。それどころか、それが原因で不信感を抱かれかねない) 矢車は自分の真意を隠し、草加の処遇についての意見を聞く。その結論は予想通りで、拘束して連れて行くとのことだった。 (まあ、今は仕方ない。俺が草加雅人に気を付けていれば済むことだ。仲間の甘さという欠点を俺が補う。それもまたパーフェクトハーモニー) 草加の処遇を決めると、矢車は懐からトランシーバーを取り出す。 氷川が結城から渡されていたものだ。傷の手当てのため、留まった小沢たちと連絡を取るために回線を開く。 「矢車だ。決着は着いた。今からそちらに戻る」 「わかったわ。ところで、草加は城戸くんについて何か言ってなかった?」 草加と一緒に行動していたはずの彼は一体どこにいるのか。小沢の関心事はそこだった。 だが、草加が気絶している以上、今は情報を聞き出すことはできない。 しかし、城戸という名前に、氷川は反応した。 「城戸さんなら、僕と一緒にいました。僕とひよりさんたちを逃がすため、戦っています」 無論、氷川の言っている城戸はリュウガのことで、小沢が探している城戸とは別人であった。 だが、それを信じた小沢たちは傷の手当てもあり、来た道を戻り、城戸たちが来るのを待つことを選択した。 この時、彼がリュウガを城戸と勘違いしていなければ、運命はまた少し違った結果になっていたかも知れない。 BATTLE4-2:市街地E6エリア 龍騎とナイト。ぶつかりあった両者のファイナルベント。 全身全霊を込めた必殺技はふたりに尋常ならぬダメージを与えていた。 しかし、それでも立ち上がる男がいた。 仮面ライダーナイト――秋山蓮。 蓮は腰に挿したダークバイザーを抜くと、倒れ伏す龍騎にその刃を向けた。 「城戸、俺の勝ちだ。お前の持つサバイブのカードとお前の命……もらうぞ」 せめて一撃で葬れるように。 蓮が狙ったのは心臓だった。うつ伏せに倒れ伏す龍騎の背中から全身へと血液を送る心臓を狙う。 「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」 倒れた龍騎に向けて、放たれた剣。 その命を奪えば、一歩踏み出すことができる。そう蓮は信じていた。 愛する人のため、恵理のために自分はただ一人のライダーにならなければいけない。 そのためには迷いのない心と揺るぎのない力が必要なのだ。 龍騎を殺すことは、そのふたつを同時に手にいれることができるチャンス。 躊躇いがないといったら嘘になる。だが、蓮は決意した。龍騎を殺すことを決意した。 なのに…… 「何故だ……」 剣は龍騎の背中から、わずか1cmで止まっている。 この1cmがどうしても蓮には進めない。 突き刺せと心が命令しても、もっと深い心から止めろと命令が届いてしまう。 進めないジレンマ。戻れないジレンマ。 蓮自身には、いや、蓮自身だからこそ、自分がどうすればいいのか、答えを出すことが出来なかった。 「蓮……」 龍騎の声が聞こえる。 気が付いたのか?いや、違う。龍騎の声ははっきりしている。 龍騎は気絶などしていなかった。 「お前、俺に殺されるつもりだったのか!?」 「いいや、そんなつもりはない。俺は信じてたから。蓮は俺を殺すことなんてできないって」 「っ!」 絶句する蓮。龍騎は立ち上がり、蓮を正面から見つめる。蓮は龍騎の仮面に隠れた城戸の眼を見たような気がした。 今の龍騎は蓮が知る城戸とは少し違う。 蓮の戦う理由を知り、ライダーバトルに隠されていた神崎の真意を知り、優衣の死を知った城戸だ。 城戸も一度は優衣のためにライダーバトルに乗ろうとした。だが、結局、人を殺すことはできなかった。 同じなのだ、蓮も。ただ、蓮は止まる術を知らなかっただけ。だから、自分が止めなければならない。 「蓮、やっぱりお前には無理なんだ」 親友からの優しい声が届く。不覚にも蓮の心は震えた。 「うるさい!」 だから、蓮は龍騎に背中を向ける。これ以上、ここにいては自分が、殺戮者の仮面を付けた自分が保てなくなる。 「待て、蓮。俺はお前を…っ!」 龍騎の声が妙な淀みを帯びる。何事かと蓮は思わず振り返った。 「城戸!」 龍騎の胸から突き出る鋭き刃。その刃は龍騎の鮮血に赤く染まっていた。 「れ……ん」 刃を引き抜かれ、支えを失い、崩れ落ちる龍騎の身体。そして、その後ろから現れたのは、蠍を模した紫色のライダー――サソード・マスクドフォームの姿だった。 「貴様!」 開口一番、蓮はダークバイザーによる斬撃をサソードに向かって放つ。 それをサソードは手にした刃で受け止めた。 蓮はそのまま斬り倒そうと力を込めるが、サソードはビクともしない。 「何故、何故、城戸を殺した!」 「お前が殺せなかったからだ」 サソードはずっとナイトと龍騎の戦いを見ていた。そして、判断した。ふたりは戦ってはいけないと。 どちらかがどちらかを殺すようなことになれば、それはふたりにとって、非常に不幸なことになる。 今は殺せなくても、続く戦いの渦中では何が起こるかわからない。自分と加賀美のように。 ならば、自分がその不幸を背負うまでだ。 「お前にも叶えたい願いがあったのだろう。そして、友を殺そうとした。だが、出来なかった。 それで正解だ。そんな思いを味わうのは俺ひとりだけで充分だからな」 「勝手なことを言うな!」 「理解してもらおうとは思っていない。好きなだけ恨めばいい。だが、俺は皆を幸せにするため、勝ち抜かなければならない。 この命をやることだけはできない!」 サソードの全身に通ったコードが伸ばされ、一瞬にしてナイトを絡め取る。 ナイトは引きちぎろうとするが、ブラッドべセルと呼ばれ、サソードの血管とも言えるそれは太く、丈夫にできていた。 刃物もなく、切れるものではない。 「だから、少し眠っていろ。次に目覚めた時には幸せな未来が待っている」 拘束されたナイトにサソードはゆっくりと迫っていった。 (蓮の奴、勝手に殺しやがって。俺はまだ生きてるぞ……) 確かに龍騎は死んでいなかった。息も絶え絶えだが、心臓の動悸はまだ続いている。 だが、致命傷には違いない。もって数分といったところだろう。 それは龍騎自身が一番よく理解していた。 (俺に出来ることをしなきゃ。戦いを止めなきゃ) 龍騎はデッキからカードを取り出すと、ドラグバイザーへと装填した。 ―ADVENT― 鏡から再び召喚されるドラグレッダー。 龍騎の意思に従い、サソードへと火炎弾を吐く。 その威力にブラッドべセルは一瞬で焼き切れ、ナイトへと意識を向けていたサソードは火炎弾をまともに受けた。 「うぉぉぉっ」 紅蓮の炎を上げ、サソードは吹き飛んでいった。 拘束より解放されたナイトは急ぎ、龍騎の元へと駆け寄る。 体力が限界だったのだろう。同時に変身したというのに、龍騎の変身は解け、城戸の姿へと戻っていた。 城戸の背中にはジャンバーの青を、真っ赤に染める赤が広がっている。 そして、既に城戸の瞳は閉じられていた。 「城戸!」 うつ伏せに倒れる城戸を助け起こすことも出来ず、蓮は城戸へと顔を近づけ、その名前を呼ぶ。 「城戸!」 「れ……ん」 瞳を閉じたまま、城戸は言葉を紡いだ。声をかすらせながらも必死で言葉を紡いだ。 「ひ、人を殺すな。例え……こ、殺せたとしても……戻れなくなるだ…けで、進むことなんて……できない。 だから、だから……俺はお前を止める。進んでも進まなくても後悔するんなら……お前は……進まない方がいい」 「………」 ナイトのマスクから涙がこぼれ落ちる。 「約束……してくれ。こ……の……戦い……」 城戸は最後の言葉を、最後まで紡げずに眼を閉じた。 「城戸!おい!城戸!」 蓮の呼びかけに、わずかだが、城戸の右手が動く。その手には一枚のカードが握られていた。 「……これは」 蓮はそれが城戸の遺志の表れと理解した。 「友の遺言は聞いたか?」 「気配を消して後ろから近づくのがお前の趣味らしいな」 蓮の瞳にもう涙はない。ナイトの仮面を被り、友を死に追いやった相手を激しくにらみつける。 サソードの姿はマスクドフォームから、ライダーフォームへ変化していた。 だが、そいつは城戸の仇であると確信する。姿形は変わっても、その声をナイトは生涯忘れるつもりはない。 ナイトはダークバイザーを構える。だが、サソードはサソードヤイバーを構えることはせず、背中を向けた。 「何のつもりだ?」 「そいつとは一度、戦ったことがある。中々面白い、歯ごたえのある奴だった。 俺の好敵手であり、お前のかけがいのない友である城戸に免じて、今は見逃してやる。次に会ったときが勝負だ」 そう言うと、サソードはその場を去ろうとする。 ―ADVENT― 「キシャッ!」 ダークバイザーによって、召喚されたナイトの契約モンスター、ダークウィングがサソードに襲い掛かった。 サソードはダークウィングの体当たりを素早く避けると、ナイトの方へ向き直る。 「ふざけるな、俺はお前を見逃すつもりはない!」 ナイトは城戸から譲り受けた一枚のカードを取り出す。 (済まない、城戸。お前とした約束は守れそうにない) 城戸へ心の中で謝罪し、ナイトはサバイブ『疾風』のカードをダークバイザーに翳した。 鏡が割れるようにダークバイザーの形状が変化し、青い蝙蝠を模した盾、ダークバイザーツバイへと変化する。 その盾の装填部に、ナイトはサバイブ『疾風』のカードを装填した。 ―SURVIVE― 音声が響いたと思うと、ダークバイザーに続き、ナイトの身体も青い蝙蝠を模した姿へと変わっていく。 黒き蝙蝠が、疾風の加護を受け、青く変化した姿――仮面ライダーナイトサバイブ。 「ふっ、いいだろう。俺はお前の仇。いつでも受けなければいけない立場にある。その復讐、謹んで受けよう」 改めて、サソードヤイバーを構えるサソード。対して、ナイトサバイブもダークバイザーツバイからダークソードを引き抜いた。 「お前も剣士か。ならば、どちらの剣の腕が上か、試してみるか!」 剣の腕を競える好敵手の存在にサソードの心は歓喜に満ちる。だが、ナイトサバイブは一度は抜いた剣を収めると、カードを装填した。 ―BLUST VENT― より機械的に、ダークレイダーへと進化したダークウィングが三度召喚される。 大きな翼を広げ、翼に搭載された車輪を、カードの命令に従い、回す。 たちまち巻き起こる竜巻に、ナイトサバイブに斬りかかろうとしたサソードは吹き飛ばされる。 立ち上がろうにもあまりの強風に、一度体勢を崩したサソードは姿勢を保つことが出来ない。 ―SHOOT VENT― 続いて、装填されたカードにより、ダークバイザーツバイは弓の姿をとった。 その弓をサソードに向け、次々と矢を放つ。 いくらサソードといえども、体勢を崩した直後では全て避けることは出来ず、何本かの矢はその身を貫いた。 「くっ、剣士同士の決闘に、伏兵に飛び道具とは」 「俺は剣士ではない。お前の勝手なルールに付き合うつもりはない」 ―CLOCK UP― 何本目かの矢を放った瞬間、サソードの姿が消える。 (これは、あの時の) 引き出される記憶。ガタックとの戦闘を思い出したとき、早速、サソードの一撃目がナイトサバイブに炸裂した。 ナイトサバイブを遥かに越えた速度で、サソードは攻撃を続ける。 ニ撃、三撃と次々と攻撃が決まっていった。 ―CLOCK OVER― 終わる高速の時。大地に倒れたナイトサバイブには無数の斬撃が刻まれていた。 「俺の勝ちだ。お前は強かった。もし、お前が全快の状況で戦っていたら、勝負はわからなかっただろう」 これは世辞ではなく、サソードの本音だった。 サソードは今までの戦いでかなり負傷していたが、ナイトサバイブはその上に直前まで龍騎と戦っていた。 剣による戦いを避けたのも、そのためだろう。 友との戦いが、結果的に自らの命を奪うことになる現実に、サソードは同情を禁じえなかった。 「止めをさす前に名前を聞きたい」 「……秋山蓮だ」 「秋山蓮か。いい名だ。俺は神代剣。神に代わって剣を振るう男。その最後に相応しく、俺の最強の技で葬ってやろう」 サソードはサソードゼクターの尾を深く押し込んだ。 ―RIDER SLASH― サソードヤイバーにエネルギーがチャージされる。 「さらばだ。誇り高き騎士よ」 緑色に光るサソードヤイバー。サソード最強の技がナイトサバイブを切り裂いた。 ―TRICK VENT― 「何!」 だが、その瞬間、ナイトサバイブは二体に分裂する。サソードは怯まずニ撃目を放つが、切り裂くと、その二体は分裂し、四体になる。 「ならば、分裂できぬまで、切り刻むまでだ」 ―CLOCK UP― 加速したサソードは分裂したナイトサバイブを次々と切り裂いていく。 分裂の限界は八体までらしく、それ以降は切ると鏡が割れるような音を立て、消えていった。 あっという間に七体を切り倒し、残るは一体。 「はっ!」 ―CLOCK OVER― 最後の一体を切り裂くと同時にクロックアップの時が終わりを告げる。 だが、最後の一体も肉の感触はなく、鏡が割れるように消えた。 (こいつも実体ではないのか?ということは) ―FAINAL VENT― 鳴り響く、音声にサソードは自分が罠にかかったことに気付く。 ナイトサバイブが跨るナイトレイダーは蝙蝠からバイクへと姿を一瞬で変え、こちらへ迫ってきていた。 (どこまでも姑息な奴だ) サソードはライダースラッシュで迎撃するためにサソードゼクターの尾に手を添える。 しかし、尻尾を押し込むより早く、ダークレイダーからビームが放たれた。そのビームはサソードの身体を動きを封じ、自由を奪う。 「何!?」 (身体が動かない) 走るダークレイダーはナイトサバイブのマントに包まれ、巨大な黒いドリルの姿をとった。 その姿にサソードは恐怖した。 ナイトのファイナルベントはその眼で見た。その威力は自分のライダースラッシュにも、ブレイドのライトニングソニックにも勝るとも劣らない。 そのパワーアップ版ともいえる攻撃が自分の身体を貫こうとしている。 この攻撃を食らったら間違いなく死ぬ。 「うぉぉぉぉっ」 サソードは全身の力を振り絞り、何とか拘束を振り払おうとする。先程のナイトとは逆の立場だ。 だが、自分に仲間はいない。自分で振りほどくしかないのだ。 しかし、動くのは腕が精一杯。とても避けることは出来ない。 「クロックアップ!」 ―CLOCK UP― ようやく届いた腰のボタンをサソードはスライドさせる。 クロックアップの効果は周りの時間を遅らせること。身体の自由は相変わらず効かない。 だが、時間を稼ぐことは出来る。 終末までのわずかな時間、サソードは生き抜く術を考える。 そして…… ―PUT ON― サソードは尾を引っ張ることでライダーフォームを解除する。 クロックアップはライダーフォームだけの能力、マスクドフォームの装甲が再構成された途端、サソードの時間は元に戻った。 ナイトサバイブもスピードを取り戻し、こちらへと突っ込んでくる。 自分は生き残れることが出来るのか?サソードは判決の時を待った。 「城戸」 戦いを終えた蓮は城戸の元へと戻る。城戸はもう事切れていて、やすらかな眠りについていた。 その表情はかすかに笑っているように見える。蓮が自分との約束を守ってくれると信じて、疑わなかったのだろう。 そんな城戸を蓮は、最後まで単純な奴だと思う一方で、最後まで自分を貫けた強い奴だと思った。 「城戸」 もう一度、自分の唯一無二の友の名を呼ぶ。 そして、懐から取り出した一枚のカードを城戸の亡骸に添え、蓮はその場を立ち去った。 INTERMISSION 市街地F4エリア。 カイザを追った氷川たちを待つために、小沢は手近な建物へと入った。 外が確認しやすいように窓の大きな建物を選ぶ。 待つまでの間、ひよりと結城の治療を小沢は行う。治療といっても、満足な医療器具はない。 仕方なく、建物にあったカーテンで包帯の代用にする。 ガスコンロがあったのは幸いだった。消毒のためのお湯は沸かすことが出来る。 (それにしたって、医療器具は欲しいわね。激しい戦闘を勝ち抜くためにはどうしたって必要になるわ) 「そういえば自己紹介がまだだったわね。私は小沢澄子。警察官よ」 「結城丈二。科学者だ」 小沢は結城の容姿を確認する。小沢が持った結城丈二の第一印象は堅物だった。 年の頃は40ぐらいだろうか?真面目な人に刻まれる眉間のしわが深い。 ピシッと着込んだスーツがよりその印象を顕著にしている。 (でも、女の子を身体を張って庇ってたし、悪い奴ではなさそうね) それにしても興味を引かれるのは、ライダーマンとしての彼の姿だ。 強化スーツのようだが、独自に作り出したのだろうか?暇があるようだったら、メカニズムについて聞いてみようと思う。 小沢澄子もその根はやはり科学者だった。 「静かに」 結城が人指し指を上げ、黙るようゼスチャーを送ってくる。足音を聞いたようだ。 結城は窓から外を覗く。 「……大丈夫のようだ。天道くん!」 結城はドアを開け、呼び込んだ。どうやら彼の待ち人が先に着いたらしい。 わずかな待ち時間の後、ドアが開き、結城とふたりの男が入ってきた。 「城戸くん!」 背の高い、眼つきの鋭い男の隣にいるのは城戸だった。自分と別れた時と同じ、青いジャケットを着ている。 だが、小沢は彼の顔を見た瞬間、何か違和感を感じた。 眼つきが険しいとか、馬鹿っぽくないとか。 そう、一言でいえば…… (かわいくない!) 「誰よ、あなた。あなた、城戸くんじゃないわね!?」 「いきなり、なんだ?」 気だるそうな声で、質問に質問で返す城戸もどき。 「氷川くんは騙せても、私は騙せないわよ。一体何者なの、あんた!」 城戸もどき――リュウガは頭を抱える。一目で自分が城戸ではないことを見破ったのは素直に感心する。 感心するが…… (どうして城戸の知り合いは変な奴ばっかりなんだ?) 追求されるリュウガを見るに見かねてか、それとも我が道を行くためか、リュウガに同行していた天道が小沢を遮る。 「こいつが何者なのかは知らんが、その追求は後にしろ。今は情報の整理が先だ」 天道の視線の先には氷川たちの姿。どうやら、待ち人が全て揃ったようである。 今だ眠り続けるひよりと、気絶した草加を除き、集ったメンバーはそれぞれが簡単な自己紹介と、この戦いが始まってからの経緯の説明を行った。 その間、天道は窓など、鏡になるものを隠して回り、一枚のメモを全員に回す。 メモの内容は以前、天道が結城、ドクトルGと議論したときと同じ内容が書かれていた。 『この首輪はおそらく盗聴機がついている。首輪に関する話題は筆談で通すぞ』 そのメモに全員が肯き、会議が開始された。 口頭で話しつつ、筆談で別の議題に対しても会議を行う。 通常なら、混乱して満足な議論が出来るはずもないのだが、並外れた頭脳を持つメンバーの間では、まったく問題ない。 無論、不器用な氷川と南には無理な話であるが。 議論を重ねる中、議題はリュウガに関することになった。 リュウガの存在は、天道たちにとって、あまりにも突拍子過ぎた。 リュウガはミラーワールドの真司。真司を吸収するために戦いに参加し、神崎にジョーカーとして任命された。 名簿にも載っておらず、参加人数にも数えられていない。そして、既にふたりも殺害しているという。 「とても、信じられないわ。そこまで滅茶苦茶なことを仕出かしていながら、改心したなんて言われても」 呆れ顔で発言する小沢。矢車もそれに同意する。 「確かに信じられないな。お前の話しが本当なら、なぜ神崎は首輪を爆破させない? 改心したふりをして、隙を見て、皆殺しを狙ってるんじゃないのか?」 「信じてもらおうとは思っていない。改心した覚えもない。俺はひよりを守りたかっただけだ。邪魔する奴が現れれば、俺はそいつを殺す」 リュウガは、小沢、矢車のふたりと睨み合う。決定的に馬が合わないらしい。 「三人とも落ち着いてください。今、僕たちが争ったところで、それこそ神崎の思う壺です」 氷川がなだめようとするが、空気が和む気配はない。その緊迫した空気を破ったのはまたしても天道だった。 「矢車、神崎がそいつの首輪を爆発しない理由は検討がつく」 「それは本当か?」 「嘘をついてどうする」 矢車の疑問の声を天道は一蹴する。 「理由はふたつ。ひとつはジョーカーという存在がもう必要ないからだ。 12時間で死亡者は17人にも及ぶ。とてもひとりやふたりがこの殺し合いに乗っただけで、稼げる人数じゃない。 シャドームーン、ジャーク将軍、グランザイラス、わかっているだけでも、かなりの人数がこの殺し合いに乗っている。 ジョーカーなどいなくても、進行に支障はないということだ」 「なるほどな。それで、もうひとつは?」 「神崎は首輪を爆破しないんじゃない。できないんだ」 矢車は筆談していた手を止め、その言葉に対しての返答を、紙に書き殴った。 『首輪の件は筆談で話すんじゃなかったのか』 「構わない。これは実験でもある。首輪を爆破できるか、できないか、これでハッキリする。 神崎、聞こえているか。俺は次元を超えることができる。その力は既に手に入れた」 天道は南光太郎のディパックからハイパーゼクターを取り出す。ガタックゼクターの反応から既に場所は特定できていた。 「ドクトルGから首輪も手に入れている。あとはこの首輪を解析するだけで、お前の野望は崩れる。 俺は天の道を行き、総てを司る男。天はお前の願いを叶えることはない」 天道が宣言をしてから、誰もが固唾をのんで天道を見守った。 だが、天道に変わった様子は見られなかった。 それは天道の仮説が証明され、脱出への道が示された瞬間だった。 天道SIDE 会議が終わり、次の行動を取るまでの間、しばし休みをとることになった。 脱出への希望が生まれたからこそ、慎重に行動しなければならない。 天道は休憩の後、チームを2つに分けるつもりだ。 首輪の解析のため、リュウガが見つけたという研究所に行くチームと、草加を尋問し、城戸を捜索するチーム。 更にその後は、ゲームに乗っていない参加者の救出と、乾たちとの合流。 まだまだやることは山ほどある。 「大したものだ。自分の命を賭けて、証明するとはな。だが、もしその賭けに負けていたらどうするつもりだったんだ?」 ひとり思案していると、矢車が話しかけてくる。天道にとってはとるに足らない内容だった。 「自信はあった。リュウガが生きて、俺たちといる時点でこの仮説は既に証明されているようなものだ」 (それに新たなガタックがいるのなら、仮に俺が死んでも脱出は出来る) 天道は死ぬつもりはない。だが、今後、神崎が何らかの手段を講じてくるのは容易に予想できた。 もしもの時の対策は立てておくのは当然だ。 (ひより……) 天道は自分の妹たる少女を見つめる。この世で最も大切な少女の姿を。 (ひより、お前は俺が絶対脱出させて見せる。この命に変えてもな) 天道は気付いていない。彼の想いは神崎の妹に対する想いとそう違うものではないということを。 矢車SIDE 「自信はあった。リュウガが生きて、俺たちといる時点でこの仮説は既に証明されているようなものだ」 天道の言葉に矢車は息を吐く。まったく大した奴だと、矢車は心から思う。天道が最初からZECTに入っていたら、どれだけ頼りになったか。 しかし、元の世界に戻ったら、天道は倒さなければならない。いや、この天道にとっては既に過ぎた話しなのか。 結城丈二が言うには、俺たちは同じ時間軸から集められたわけではないという。 天道が脱出に使うハイパーゼクターも、氷川が装備するガタックゼクターも俺がいた後に完成したものらしい。 その装備を天道が持っているということは、天道もZECTに入ることになったのか。それとも逆にZECTの方が折れたのか。 天道に結果を聞けばわかるだろうが、聞かない方がいいだろう。聞いたところで、ここで俺がやるべきことが変わるわけではないのだから。 矢車は草加のディパックを見つめる。 早急に戦う力が必要だ。パーフェクトハーモニーのためには、それぞれが素材の持ち味を最高まで高めなければならない。 俺に出来るのは戦うこと。だが、俺に戦うための装備はない。 しかし、もし草加が持っていたあの装備が、汎用的なものだとしたら、俺の力にすることが出来る。 矢車はじっと草加のディパックを見つめていた。 草加SIDE (くっ、くっ、くっ、なるほどな) 草加の意識は、今の場所に連れて来られた時点で回復していた。 氷川が所有していた手錠で、後ろ手に拘束され、満足に動くことが出来ないが充分だ。 草加には決して拘束できない、頭脳がある。 ガタックとの戦闘では、頭に血が昇り、冷静な判断を欠いたが、既に血は引いていた。 (天道総司、奴が鍵か。俺が真理を生き返らせるためには邪魔だな) 草加は諦めてなどいない。生きているという事実が、まだ草加に希望があると告げている。 自分を生かしておくとは、馬鹿ばかり。馬鹿はいくらでも利用できる。 天道たちの会議は、草加に誰が利用すべきかの判断の場とも成りえた。 氷川SIDE 氷川はガタックゼクターを見て、物思いに耽っていた。 自分を助けてくれた、城戸――リュウガはやはり人を殺していた。 しかも、力を抑えられなかったわけではなく、自分の意思でだ。 氷川は悩む。小沢と矢車はリュウガのことをまったく信用していない。それも当然だと氷川も思う。 それでも氷川はリュウガのことを信じたいと思っていた。 リュウガは信じてもらおうとも、改心したと覚えもないと言った。だが、ひよりを守りたかったとも言っていた。 (それを彼の本心だと信じたい) 真っ直ぐな性根に、例え倒すべき敵だったとしても、信じたいと思う心。 その心にガタックゼクターは反応する。その心は彼と共に戦った加賀美と同じものだったのだから。 リュウガSIDE 会議が終わった後、リュウガはずっと考えていた。 シャドームーンに天道が出した問いの答えを。 『お前は何のために戦っている?』 ひよりを守り、天道には会わせた。つまり、自分の願いは叶えられたのだ。 今度は何のために戦う? リュウガは自分に生まれた感情が何か知りたかった。だが、それは何なのか未だに解らない。 戦えば解るかと思ったが、無駄だった。リュウガは悩む。 (わからない。わからない) 頭を抱えたリュウガが顔を上げると、ひよりの姿が見えた。傷の手当ても終わり、やすらかに眠っている。 そうだ、戦いはまだ終わっていない。天道が脱出の鍵を握ると知った以上、神崎は何らかの手を打ってくるだろう。 (俺は天道を守る。ひよりを守る。ふたりに危害を加える奴は俺が倒す!) 悩んだ末にリュウガが出した結論は、やはり戦うことだった。 シャドームーンSIDE 影の王子はカブトとオーガとの戦いを終え、身体を休めていた。 制限があるとわかった以上、ライダーマンとの戦いのような失態はもう二度と起こさない。 傷の回復にも限度がある。できれば、RXとは万全の状態で戦いたい。 シャドームーンはカブトとオーガとの戦いを思い出す。中々の強敵だった。 あの場では引き分けに終わったが、長引いてはどうなっていたか。自分に能力の制限を加えるとは忌々しい首輪だ。 シャドームーンはふと、カブトの問いを思い出す。 『お前は何のために戦っている?』 無論、RXとの決着を着けるためではあるが、何のために決着を着けなければならなかったのか? それがシャドームーンからはすっぽりと抜け落ちていた。 だが、シャドームーンはそれに気付かず、RXとの再戦に備え、力を蓄えるのだった。 南光太郎SIDE (おのれ、クライシス!) 皆が思い思いに休憩する中、一際、熱い想いをたぎらせている男がいる。 南光太郎、その人である。 会議の後、結城丈二から様々な情報を得た。曰く、結城丈二の時間では既にクライシスとの決着が着いているとのことだった。 喜ばしいことであったが、同時に南光太郎の脳裏にはある推論が浮かんだ。 クライシスの狙いは、まだクライシスと戦いを始める前の自分を抹殺し、未来を変えるつもりではないのか? 参加者たちもそれぞれの世界の要人ばかりで、未来を自分達の都合のいい方向に変えるためにこの場に連れて来られたのではないか? だとすれば、楽観視することは出来ない。ここでもクライシスの野望を粉砕しなければ。 南光太郎は未知なる敵に、ひとり燃え上がるのだった。 結城SIDE 結城は、小沢と共に、首輪の解析に入っていた。 設備はなくとも、情報を得る方法はいくらでもある。 観察していく過程で、どこが爆破を司り、どこがセンサーになっていて、どこを塞げば盗聴がされないかはわかった。 あとは肝心の解除方法だけだ。 「やはり、もし設備があったとしても分析には時間がかかりそうだ。未知の部分が多すぎる」 「そうね、でもやるっきゃないわ。そうでしょう。」 「ああ」 カードデッキ、カイザポインター、ラウズアブゾーバ、ディスクアニマル、ザビーゼクター、それぞれの世界のテクノロジーは揃った。 あとは解析できる設備さえあれば、首輪を外すことができる。 首輪の観察を続ける中で、首輪に血の跡を見つける。 (ドクトルG……) 天道の話しから、それがドクトルGの血であることは明らかだった。 ドクトルGは自分にデストロンを託すといって、散っていったという。 だが、既にデストロンは崩壊し、自分はデストロンを裏切っている。 (済まない、ドクトルG) 結城は心の中で謝罪する。例え、敵とはいえ、騙したまま死なせてしまったことに罪悪感を感じた。 (俺は死んだら間違いなく地獄行きだ。地獄で再開したら心から謝罪しよう) 結城は咎を抱え、首輪の解析を続けた。 小沢SIDE 「やるっきゃないわ。そうでしょう。」 「ああ」 結城の返事に、小沢は合格を下す。 常に前向きな小沢は今回の一件でより一層の力を得た。 氷川との再開、脱出方法の確立、首輪の入手。 少しずつではあるが、カウンターパンチの準備は整いつつある。 (あとは城戸くんたちとの合流ね) 津上翔一のことも気にはなるが、今の小沢の最大の関心事は城戸の行方だった。 自分があの時しっかり止めていれば、そう思うと慙愧に耐えない。 (城戸くん、私に焼肉奢るまで、無事でいなさいよ) 小沢は城戸の無事を祈る。それが既に虚しき願いになっていることを知らずに。 剣SIDE (お、俺は……生きて……いるの…か?……ふふっ、やはり神は俺の願いの成就を望んでいるらしい) 剣はボロボロになりながらも生きていた。 ナイトのファイナルベント――疾風断が炸裂する瞬間、剣がサソードヤイバーに代わり、用意したのはブレイバックル。 ―Turn Up― ブレイバックルのレバーを引くことで発生するカテゴリーAのビジョンは適応者以外には、鉄壁の盾となる。 ただ、いくら鉄壁の盾といえども、疾風の弾丸を完全に防御するのは不可能。 着弾する瞬間を狙い、神代剣の姿から、スコルピオワームの姿へと変態した。 ブレイバックルとマスクドフォーム、ふたつの防御力に、ワームの生命力を加えることで、ようやく命を拾ったのだ。 どれかひとつ欠けていても、死は免れなかっただろう。 剣は自分の命を守ったブレイバックルを見つめる。ふいに剣崎の魂が剣に宿った。 相川始はどうしているのだろうか? 始SIDE この首輪が付けられたのは不幸中の幸いだったらしい。 どんなにジョーカーの荒々しさが開放されようとも、時間が経てば、ヒューマンアンデッドの姿に戻ってしまうようだ。 過去にジョーカーの呪縛に悩まされた俺としては歓迎すべきことだ。だが、今はそれが怨めしい。 「……ぐふっ」 また、口から血反吐が吐き出される。俺の傷は深かった。 神崎は不死ではなくなったといったが、マンティスアンデッド、ジョーカーの姿でいる間は不死に近い存在ではあるらしい。 胸を貫かれても、それが死因には繋がらない。だが、ヒューマンアンデッドの姿になった途端、身体中の力が抜けていった。 心臓。全身に血を巡らせるこの臓器が出来たためだ。今では歩くことさえままならず、呼吸も満足に出来ない。 少しでも気を抜けば命の灯火を手放してしまいそうになる。 (そういえば、ジェネラルシャドウが言っていたな。俺を倒すにはクラブの8とスペードのAが必要だと。 クラブの8……スコーピオンアンデッド、スペードのA……剣崎……ブレイド。 なるほど、蠍の剣か。そういえば戦った相手の服と盾には蠍の紋章が刻まれていた) ジョーカーになった後のことは断片的にしか覚えていないが、奴が刃物を使って、俺の胸を刺したことは覚えている。 つまり、ジェネラルシャドウの予言通りなら、あいつが俺にとってのジョーカー。 俺はこれで死ぬということか。 『始さん』 俺の脳裏に一瞬、自分が大切にしている女の子の姿がよぎる。 「あ・ま・ね・ちゃん」 唯一の心残り。俺はそれを力に死という初めての敵と戦い続けた。 【ドクトルG 死亡】 【城戸真司 死亡】 残り31人 【天道総司@仮面ライダーカブト】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸]:ハイパーゼクター入手後。 [状態]:中度の疲労、全身、特に背中に打撲、左腕に重傷。但し、全て応急処置済み。2時間変身不能。 [装備]:カブトゼクター&ベルト。カブトクナイガン。 ハイパーゼクター。 [道具]:食料など一式。 [思考・状況] 1:首輪の解析。 2:乾、あきらをはじめ、皆の守りたい人との合流。 3:加賀美の埋葬。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【矢車想@仮面ライダーカブト】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸]:8話 ザビー資格者 [状態]:重症。全身打撲&火傷&刺傷(急所は避けていました。大出血もありません) 。全て応急処置済み。 [装備]:ライダーブレス(ザビーゼクター破壊) [道具]:カイザドライバー(カイザブレイガンのみ付属) 。ゼクトマイザー。 ファイズアクセル。四人分のデイバック(佐伯、純子、草加、矢車) マイザーボマー(ザビー、ホッパー) [思考・状況] 1:仲間を集めてパーフェクトハーモニーで脱出! 2:戦闘力の確保。カイザドライバーに興味。 3:リュウガに不信感。 [備考] ※1:矢車はBOARDという名前に嫌疑(ワームの組織では?) ※2:クライシスと神崎士郎が利害の一致で手を組んでいる可能性が高いと考えています。 ※3:便宜上、矢車が持っていることになってますが、草加から取り上げただけであり、誰が所有するかまでは決まってません。 ※4:ゼクトマイザーは制限により弾数に限りがあります。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【草加雅人@仮面ライダー555】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸]:ファイズ終盤。 [状態]:背中に切り傷。胸に強度の打撲。参加者全員への強い憎悪。カイザに2時間変身不能。手錠にて拘束中。 [装備]:なし [道具]:なし [思考・状況] 1:ゲームの参加者の皆殺し。 2:馬鹿を騙し、手駒にする。 [備考] ※珠純子の死を秋山蓮に擦りつけようと考えています。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【氷川誠@仮面ライダーアギト】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸]:最終話近辺 [状態]:全身に重度の火傷。応急処置済み。疲労大。ガタックに2時間変身不能。 [装備]:拳銃(弾一つ消費)。手錠等の警察装備一式(但し無線は使えず、手錠は草加に使用中)。ガタックゼクター&ベルト。 [道具]:但し書きが書かれた名簿 。ラウズカード(ダイヤの7と9、クラブの8と9、スペードの3) 。 ファイズショット。デザートイーグル.357Magnum(4/9+1) 。デイバック五人分(氷川、ひより、リュウガ、岬、明日夢) 。 [思考・状況] 1:リュウガを信じたい。 2:休憩中。指示を待つ。 3:木野薫、津上翔一との合流。 4:此処から脱出する。 5:短髪でロングコートの青年(秋山蓮)を探す。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【リュウガ@仮面ライダー龍騎】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸]:劇場版登場時期。龍騎との一騎打ちで敗れた後。 [状態]:中程度の負傷。特に背中。応急処置済み。オーガに2時間変身不能。 [装備]:リュウガのカードデッキ。オーガドライバー(オーガストランザー付属)。コンファインベント。 [道具]:なし [思考・状況] 1:自分の今の感情の名を知りたい。 2:ひよりと天道を守るために戦う。 3:神崎に反抗。 4:城戸を取り込むかどうかは、保留。 [備考] ※ドラグブラッカーの腹部には斬鬼の雷電斬震の傷があります。 ※第二回放送を聞き逃しています。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸] 第1話、RXへのパワーアップ直後】 [状態]:健康。 [装備]:リボルケイン [道具]:カラオケマイク(電池切れ) [思考・状況] 1:打倒主催。その後、元の世界に戻ってクライシス帝国を倒す。 2:シャドームーンを捜す。 [備考] ※黒幕はクライシス帝国、神崎はその手の者であると勝手に確信しています。 ※ガタックゼクターへの誤解は解けました。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【結城丈二@仮面ライダーV3】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸]:仮面ライダーBLACLRX終了後。 [状態] 中度の負傷。応急処置済み。ドクトルGに罪悪感。ライダーマンに2時間変身不能。 [装備] カセットアーム [道具] トランシーバー×3(現在地から3エリア分まで相互通信可能)、名簿を除くディパックの中身一式 ディスクアニマル(ルリオオカミ、リョクオオザル、キハダガニ、ニビイロヘビ)。ラウズアブゾーバー。カイザポインター。 [思考・状況] 1:首輪の解析。首輪の解析のための施設を探す。 2:死んだらドクトルGに謝りたい。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【小沢澄子@仮面ライダーアギト】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸] G3-X完成辺り。 [状態] 多少の打撲と火傷。相変わらず沈着冷静。 [装備] 精巧に出来たモデルガン。 [道具] GX-05ケルベロス(但し、GX弾は消費)、壊れたザビーゼクター。 [思考・状況] 1:城戸を探したい。 2:首輪の解析(道具と仕組みさえ分かれば分解出来ると考えています) 3:ザビーゼクターを修理する(パーツと設備、時間さえあればザビーゼクターを修理可能だと考えています) 4:津上翔一と合流する。 5:リュウガに不信感。 [備考] クライシスと神崎士郎が手を組んでいる可能性は低いと考えています。 [ひよりを除く全員の共通事項] 時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。 仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。 小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。 【日下部ひより@仮面ライダーカブト】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-4】 [時間軸] 本編中盤 シシーラワーム覚醒後。 [状態] 右肩に重傷。応急処置済み。気絶中。 [装備] なし [道具] なし [思考・状況] 1:気絶中。以下は気絶前の思考。 2:天道を助けたい。 3:天道と戦っていたのはもしかしてシャドームーン? [備考] ※第二回放送を聞き逃しています。 ※フライパンはF-7の道路に放置してあります。 【シャドームーン@仮面ライダーBLACK RX】 【1日目 現時刻 日中】 【現在地:市街地E-5】 [時間軸]:RX27話以降。 [状態]:全身に中度の打撲。右腕のエルボートリガー破損。腹にドリルによる刺し傷。 しかし、いずれの怪我も問題ない程度に回復。 [装備]:シャドーセイバー [道具]:なし [思考・状況] 1:RXを探し出し、決着をつける。 2:風見志郎(結城丈二)に借りを返す。 [備考] ※第二回放送を聞き逃しています。 【神代剣@仮面ライダーカブト】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地E-6】 [時間軸]:スコルピオワームとして死んだ後。 [状態]:重度の負傷。腹に斬撃。右腕を負傷。極度の疲労。始への憤り。サソードとワームに2時間変身不能。 [装備]:サソードヤイバー。剣崎の装備一式。 [道具]:陰陽環(使い方は不明)。ラウズカードのスペード9&10。ダイヤのJ。 [思考・状況] 1:何処か休める場所で傷を癒す。 2:始と再会し、手を汚す前に自分の手で殺す。 3:この戦いに勝ち残り、ワームの存在を無かったことにすることで贖罪を行う。 4:さらに、自分以外が幸せになれる世界を創る。 5:秋山蓮といずれ決着をつける。 [備考]神代は食パンを「パンに良く似た食べ物」だと思ってます。 ※剣崎と神代剣両方の姿に切り替えることができます。剣崎の記憶にある人物と遭遇しそうなら、剣崎の姿に切り替えるつもりです。 ※リュウガを殺したと思っています。 【相川 始@仮面ライダー剣】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地F-6】 [時間軸] 本編後。 [状態] 死ぬ一歩手前。胸部に抉れ。腹部に切傷。カリスとジョーカーに2時間変身不能。 [装備] ラウズカード(ハートのA、2、5、6) [道具] 未確認。首輪探知機(レーダー) [思考・状況] 1:死との勝負に勝つ。 2:剣崎を優勝させる。 3:ジェネラルシャドウを含め、このバトルファイトに参加している全員を殺す。 [備考] ※相川始は制限に拠り、ハートのA、2以外のラウズカードでは変身出来ません。 【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】 【1日目 現時刻:日中】 【現在地:市街地E-7】 [時間軸]:34話龍騎サバイブ戦闘前後。 [状態]:中度の負傷。深い悲しみ。2時間変身不能。 [装備]:カードデッキ(ナイト) [道具]:配給品一式。 [思考・状況] 1:戦いを続ける。 [備考] ※第二回放送を聞き逃しています。 ※サソードは殺したと思っています。 ※ドクトルGの盾とディパックはF6エリアに放置されています。 ※城戸の死体とサバイブはE6エリアに放置されています。